内申点と観点別評価のしくみ評定はどう決まるのか、あと1点をどこで取るのか
「定期テストは悪くないのに、評定が上がらない」——毎年いただくご相談です。 いまの通知表は3つの観点を点数に直して合計するという、はっきりしたルールで付けられています。 そのルールと、あざみ野中・すすき野中・王禅寺中央中の学校別データを1ページから読めるようにまとめました。
このページについて
本ページの内容は、神奈川県教育委員会と国(文部科学省・国立教育政策研究所)の資料、および 各中学校が生徒・保護者に配布している評価計画・教科プリントに書かれていることをもとに整理しています。 学校別の配点データは、当塾が確認した2026年3月までの定期テストの解答用紙(採点表)を集計したものです。 評価の方法は年度・学年・教科・担当の先生によって変わることがあります。 最新の内容は、お子さまが受け取っている資料をご確認ください。
① 評定は「3つの観点」を点数に直した合計で決まる3校とも同じ計算式
いまの中学校は、各教科の学習状況を次の3つの観点から評価しています。
- 知識・技能……学んだことを理解している
- 思考・判断・表現……学んだことを使って自分で考えている、考えを説明できている
- 主体的に学習に取り組む態度……学んだことを生かして、さらに学びを深めている
この観点別の評価は、A・B・Cの3段階ではなく5段階(A○・A・B・C○・C)で付けられます。 そして、それを点数に直して合計し、その合計から評定(5〜1)が決まります。
| 観点別評価 | 点数 | 3観点の合計 | 評定 |
|---|---|---|---|
| A○ | 5点 | 15点〜14点 | 5 |
| A | 4点 | 13点〜11点 | 4 |
| B | 3点 | 10点〜8点 | 3 |
| C○ | 2点 | 7点〜5点 | 2 |
| C | 1点 | 4点〜3点 | 1 |
この計算式は3校とも同じです
あざみ野中学校の資料には「横浜市教育委員会より示された方法に基づいて」、 すすき野中学校の資料には「神奈川県教育委員会『カリキュラム・マネジメントの一環としての指導と評価』引用」 と出典が明記されており、どちらも同じ表が載っています。王禅寺中央中学校も同じ基準です。 学校ごとにまったく違う独自ルールで付けられているわけではありません。
② 評定4と3を分けるのは、たった1点「全部がんばる」より「1つ決める」
たとえば、通知表の観点別評価が「B・A・B」だったとします。点数に直すと——
B(3点)+ A(4点)+ B(3点)= 10点 → 評定は3
評定4になるには11点以上。どれか1つのBをAに変えれば 3+4+4=11点で評定4に届きます。
評定が上がらないとき、必要なのは「全教科・全部を底上げする」ことではありません。 3つのうち、どの観点があと一歩なのかを1つ特定して、そこに手を打つことです。
同じ評定3でも、8点の3と10点の3では、次に必要な労力がまったく違います。 評定の数字だけを見ていると、この差に気づけません。
その観点で8割取ればA、5割でB
では、Aはどこから付くのか。あざみ野中学校の資料には、次の基準(カッティングポイント)が明記されています。 この90%・80%・50%という境目は、すすき野中学校・王禅寺中央中学校でも同じです。
| その観点での達成率 | 評価 |
|---|---|
| 90%以上 | A○ |
| 80%以上 | A |
| 50%以上 | B |
あざみ野中学校の資料には、こう書かれています。 「観点ごとに問題がつくられています。それぞれの観点ごとの得点を見て、 概ね次のカッティングポイントにしたがって評価をします」。 つまり定期テストは、1枚の中で観点ごとに分かれて採点されているということです。
③ 学校別のデータと、学校ごとの資料の読み方配点の重心は学校・教科・学年で違う
制度は3校で共通ですが、定期テストの中で知識・技能と思考・判断・表現がどんな比率で配点されているかは、 学校・教科・学年によってはっきり違います。当塾が確認した解答用紙の採点表を集計すると、次のような差が出ました。
| 学校 | データから見えた特徴 |
|---|---|
| あざみ野中学校 | 資料にカッティングポイントが明記されている。数学は知識・技能寄り |
| すすき野中学校 | 1年英語は思考・判断・表現が約6割(42:58)。一方で3年社会は知識が約7割(74:26) |
| 王禅寺中央中学校 | 全体に知識・技能寄り(1年国語は89:11)。満点が100点でない回が多いため、点数でなく割合で見る必要がある |
それぞれの学校の5教科×3学年の配点表と、その学校の資料に書かれていた具体的な基準は、 各記事にまとめています。
観点別評価で点を取るための勉強法
制度と学校別のデータが分かったら、次は「では何をするか」です。 近隣3校の資料に書かれている基準をもとに、具体的なやり方を6本にまとめました。
点数ではなく「その観点の満点に対する割合」で見てください
3校の解答用紙を集計して分かったことのひとつが、定期テストの満点は100点とは限らないということです。 実際に、40点・63点・86点・103点・120点といった満点の回がありました。 「60点だった」という数字だけでは、良いのか悪いのか判断できません。 返却された解答用紙の採点表を見て、観点ごとの欄で何割取れたかを確認してください。
④「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手や態度では決まらない国の資料がはっきり否定しています
3つの観点のうち、いちばん誤解されているのがこれです。 「うちの子は手を挙げないから、この観点が低いのでは」というご相談をよくいただきます。
しかし、文部科学省・国立教育政策研究所の資料には、この観点について、 「挙手の回数や毎時間ノートを取っているかなど、性格や行動面の傾向が一時的に表出された場面を捉える評価であるような誤解」 が指摘されている、と書かれています。
王禅寺中央中学校の数学の資料では、この観点が 「上の2観点をみにつけるための粘り強い取り組みと、その取り組みを調整する力」と定義されていました。 やる気や性格ではなく、粘り強さと、自分でやり方を調整する力です。
AとBの差は「やった」か「やって、さらに一歩」か
抽象的に聞こえるかもしれませんが、各校の資料を読むと、驚くほど具体的な基準が示されています。 しかも4つの出典が、まったく同じ形をしています。
| 出典 | Bの状態 | Aの状態 |
|---|---|---|
| 県教委の数学の事例 | どちらの方法で解くか書いてある | +その理由が書いてある |
| すすき野中・英語 | 指示されたことができている | 指示されたこと以上の取組が見られる |
| すすき野中・理科(ノート) | 授業プリントを全て埋めている | 全て埋めて+自分で調べたことが継続的に書かれている |
| 王禅寺中央中・数学(ワーク) | 全ページ解いている | +丸付けをし、間違いは途中式まで書いて解法を確認している |
「やった」から「やって、さらに一歩」がAとBの境目です。 これは勉強時間の長さではなくやり方の差です。 ワークを解いて終わりにせず、丸をつけて、間違いを直す。ノートに1行、自分の言葉を足す。 それだけで、多くの資料が挙げているチェック項目を満たします。
⑤ 内申はいつまでに決まるのか中3の勝負は11月中旬で終わります
横浜市・川崎市の中学校は2学期制です。定期テストは年に4回、 前期中間・前期期末・後期中間・学年末という流れで行われます。
| 学年 | 入試に使われる評定 |
|---|---|
| 中学2年 | 学年末(3月)の評定。最後の学年末テストまで、すべてが対象になります |
| 中学3年 | 後期中間(11月中旬)までの成績。11月末に出る後期の成績が使われます |
見落とされがちなのが、中学3年生にとって、2月の学年末テストは入試の内申には入らないということです。 中3の勝負は、前期中間・前期期末・後期中間の3回で終わります。
神奈川県の公立高校入試での内申点
(中2の9教科の評定合計)+(中3の9教科の評定合計)×2 = 135点満点
中3の評定は2倍されます。1教科の評定が1つ上がるだけで2点動く、ということです。
そして、観点別評価を上げる手立ての多くは時間がかかるものです。 ノートに自分で調べたことを継続的に書く。ワークを解いて、採点して、間違いを直す。提出物を期限までに揃える。 どれも、テスト前の1週間で挽回できる種類のものではありません。 だからこそ、締め切りから逆算して動く必要があります。
⑥ ご家庭でできる「作戦会議」の進め方通知表と解答用紙があれば、親子で10分
当塾でも、生徒と面談するときはこの順番で話をしています。特別な道具は要りません。
手順1 通知表を「評定」ではなく「観点」で見る
評定の数字ではなく、その左にある3つの観点を見て、点数に直して合計します。 たとえば「A・B・B」なら4+3+3=10点で評定3。11点で評定4なので、あと1点です。
手順2 上げる観点を「1つだけ」決める
全部を同時にやろうとしないことが、いちばんの近道です。 多くの場合いちばん上げやすいのは主体的に学習に取り組む態度—— 提出物やノートといった、やり方を変えればすぐ反映される材料で評価されているからです。 すでにAなら、次はその教科の配点が重いほうの観点を狙います。
手順3 その観点で「何をすればAになるか」を具体化する
主体的=ワークは解くだけで終わらせず、採点して間違いに正しい答えを書き込むまで。
ノートは埋めたうえで自分で調べたことを1行足す。提出物は期限・記名・空欄なしを毎回確認。
思考・判断・表現=記述問題を空欄で出さない。間違えた記述は、なぜその答えになるかを一言で書く。
知識・技能=解答用紙で知識の欄だけの得点率を出し、8割に届いていない単元だけをやり直す。
手順4 締め切りから逆算する
中3なら11月中旬の後期中間まで、中2なら3月の学年末まで。 提出物やノートの評価は1回で変わるものではなく積み重ねで見られています。 「次のテストから」ではなく「明日の授業から」始めるほうが、確実に届きます。
自分の学校の基準は、配られた資料に書いてあります
このページで挙げた基準は、当塾が独自に推測したものではありません。 すべて、学校が生徒・保護者に配布している資料に書かれていることです。 国の資料にも、学習評価の方針は事前に生徒と共有し、保護者とも共通理解を図ることが重要だと明記されています。
ご家庭では、年度はじめの学校説明会などで配られる資料と、 各教科の最初の授業で配られるプリントを探してみてください。 「評価について」「評価の観点」「評価の方法と収集する評価資料」といった見出しで書かれています。
内申点と観点別評価のよくある質問あざみ野中・すすき野中・王禅寺中央中
テストで90点取ったのに、評定が4のままなのはなぜですか?
評定は3つの観点の合計で決まるためです。定期テストは観点ごとに分けて採点されているので、 合計90点でも「知識・技能は95%だが思考・判断・表現は60%」のように偏っていると、 片方がBになります。また、提出物やノートで評価される観点もあるため、 テストの点数だけでは評定は決まりません。返却された解答用紙の観点ごとの欄をご確認ください。
手を挙げないと「主体的に学習に取り組む態度」は下がりますか?
いいえ。国(文部科学省・国立教育政策研究所)の資料は、挙手の回数などで評価するのは誤解だと はっきり示しています。各校の資料でも、この観点はノート・ワーク・提出物・振り返りの記述など 「書かれたもの」で評価すると具体的に書かれています。
学校によって評定の付け方は違いますか?
計算式と、A・Bの境目(90%・80%・50%)はあざみ野中・すすき野中・王禅寺中央中で共通です。 違うのは、定期テストの中での観点別の配点比率と、教科ごとに何を評価材料にするかです。 同じ努力をしても教科によって効き方が変わるので、配られた教科の資料を見る意味があります。
中学3年生の内申は、いつの成績が使われますか?
後期中間テスト(11月中旬)までの成績です。11月末に出る後期の成績が入試で使われます。 2月の学年末テストは入試の内申には入りません。中2は3月の学年末の評定が使われます。
あと1点で評定が上がるかどうか、家庭で分かりますか?
分かります。通知表の観点別評価をA○5点・A4点・B3点・C○2点・C1点に置き換えて合計するだけです。 合計11点で評定4、14点で評定5です。10点なら「あと1点」、8点なら「あと3点」と、 必要な距離が数字で見えます。
「どの観点を上げればいいか」を、一緒に整理します
当塾では、近隣中学校の定期テストを10年以上にわたって毎年確認し、 問題用紙だけでなく解答用紙の採点表まで分析しています。 通知表と返却されたテストを見ながら、お子さまが「あと何点、どこで取ればいいか」を 一緒に絞り込むところからお手伝いしています。まずは無料の学習相談へお気軽にどうぞ。