板書を写すだけではAにならない|ノートに足す「1行」の作り方

こんにちは!MySTEPスタッフの石川です。

「ノートはきれいに取っているのに、評価が上がらない」——あざみ野中学校・すすき野中学校・王禅寺中央中学校の保護者さまから、よくいただくご相談です。

この件については、はっきりした答えが学校の資料に書かれています。すすき野中学校の理科のプリントには、こうありました。

「黒板を写すこと」は重要視していません。

驚かれるかもしれませんが、これは「ノートを取らなくていい」という意味ではありません。何を書くかが問われているということです。この記事では、近隣3校の資料に書かれている基準をもとに、ノートに何を足せばAになるのかを整理します。

ノートは3つの観点すべてに関わっています

まず、ノートがどこに効くのかを確認します。

いまの通知表の評定は、3つの観点を点数に直して合計したものから決まります。

  • 知識・技能……学んだことを理解している
  • 思考・判断・表現……学んだことを使って自分で考えている、考えを説明できている
  • 主体的に学習に取り組む態度……学んだことを生かして、さらに学びを深めている

近隣3校の教科プリントを見ると、ノートやワークシートは3つの観点すべてに登場します

学校・教科 ノート・ワークシートの扱い
王禅寺中央中学校・理科 3観点すべての評価方法に「ワークシートの記述内容」。注記に「ワークシートには、実験レポート、観察レポート、授業ノート、テストのふり返りシート等を含みます」
王禅寺中央中学校・国語 知識・技能/思考の3領域(話す聞く・書く・読む)/学びに向かう力のすべてにワークシート
王禅寺中央中学校・社会 思考・判断の材料にワークシートの「今日の授業で気づいたこと、分かったこと」の内容
すすき野中学校・理科 主体的の材料。A・B・Cの基準が行動レベルで明記されている
すすき野中学校・国語 授業プリント(ノート)が知識・主体的の両方に。ノートの下三分の一は自主学習のスペースを必ず作ると指定

つまりノートは、提出物のひとつというより、授業中の学びを見せる場所として扱われています。だからこそ「何を書くか」が問われます。

板書を写すだけでは、なぜAにならないのか

すすき野中学校の理科の資料には、ノートのA・B・Cが行動レベルで書かれていました。

A:授業プリントを全て埋めて、各自、授業内容に関して調べたものが継続的に記入されている
  目安 ・授業で触れていないような新たな知識・知見が含まれている
     ・一定の労力をかけないと作成できないレベルのノートとなっている(資料集をまとめているなど)

B:授業プリントを全て埋めている

C:授業プリントが全て埋まっていない、揃っていない

そして、この直後に「黒板を写すこと」は重要視していませんと続きます。

読み解くと、こうなります。

板書をきちんと写して、プリントを全部埋めた = B。
そのうえに、自分で調べたことが継続的に書いてある = A。

「きれいに取っている」は、評価のうえではちょうどBの状態です。字がきれいかどうか、色分けが上手かどうかは、この基準のどこにも出てきません。

なお同じ資料には、「中学校の範囲に留まらず、自分の知識を広げるための活動としてください」という一文も添えられていました。学校が求めているのは、ノートの美しさではなく自分で調べる習慣だということです。

王禅寺中央中学校は「他の人が見て分かるか」で見ています

王禅寺中央中学校の数学の資料には、「ノートづくりの工夫」として次の5つが挙げられていました。

・新たに学んだこと、気づいたこと ・学習の中での疑問
・自分なりのポイント表現・考え方 ・今までの学習との関連性
・学習内容から発展できそうな考え

自分が見て分かるだけでなく、他の人が見て分かるを目指そう

そして、ノート・ファイルの評価チェック内容には次のように書かれています。

・プリントの問題を、途中式を書いて解いている
・授業で説明されたことを自分で工夫して解説している
・プリントの問題を、いろいろな解法で解いている
・期日を守って提出している ・プリントを順番通りに整頓している

「自分で工夫して解説している」——これがポイントです。先生の説明をそのまま写すのではなく、自分の言葉に置き換えて書くことが求められています。

ノートに足す「1行」の作り方

ここまで読んで、「調べて書くなんて大変そう」と感じられたかもしれません。でも、資料が求めているのは長い文章ではありません

実際に当塾で生徒に勧めているのは、授業の最後に1行だけ書くことです。次の3つのどれかを選べば、必ず何か書けます。

書くこと 書き出しの例
疑問 「なぜ〜なのか分からなかった」「〜のときはどうなるんだろう」
前に習ったこととのつながり 「これは〇月に習った〜と同じ考え方」「〜と逆になっている」
自分の言葉での言い換え 「つまり〜ということ」「要するに〜すればいい」

とくに「疑問」がいちばん書きやすく、しかも次につながります。書いた疑問を家で調べれば、それが「授業で触れていないような新たな知識」になります。1つ調べて1行足すだけで、資料が求めているAの形になります。

すすき野中学校の国語は、書く場所まで指定されています

すすき野中学校の国語のプリントには、こう書かれていました。

ノートの下三分の一は自主学習のスペースを必ず作ること(調べ学習・テスト勉強などに使う)

板書を写すのは上の三分の二まで。残りは自分のために使いなさい、という設計です。ここまで具体的に指定されているなら、あとは埋めるだけです。

同じくすすき野中学校の英語2年の資料では、ノートは見開きで使い、Unit番号・教科書本文・基本文と意味・日本語訳・板書に加えて、裏表紙から単語を3回ずつ練習するという6項目が必須とされていました。教科ごとに書き方が決まっているので、その通りにするのがいちばん確実です。

教科ごとに、書き方が決まっていることがあります

「1行足す」の前に、まず確認しておきたいことがあります。近隣3校の資料を見ると、教科ごとにノートの書き方が具体的に指定されていることがかなりあります。

学校・教科 資料に書かれていた指定
すすき野中学校・国語 ノートはB5。下三分の一は自主学習のスペースを必ず作る(調べ学習・テスト勉強などに使う)
すすき野中学校・英語(2年) 見開きで使用。6項目が必須=Unit番号/教科書本文/基本文と意味/日本語訳/板書/裏表紙から単語を3回ずつ練習
すすき野中学校・社会 ノートの取り方を図示。日付は必須。板書に加えて「プラスアルファ」=自分の考え・疑問点・調べ学習
王禅寺中央中学校・英語 「自学ノート」を用意する。板書のメモ・単語練習・教科書本文の書き取り・問題演習を自分なりに工夫して使う
王禅寺中央中学校・数学 プリントを順番通りに整頓していることがチェック項目に入っている

すすき野中学校の社会の「プラスアルファ」という言い方は、まさにこの記事のテーマそのものです。板書を写すのは土台で、そこに自分の考え・疑問・調べたことを足すところまでが求められています。

そして重要なのは、指定された通りに書けばBは確保できるということです。すすき野中学校の英語の資料には、A・B・Cの定義がこう書かれていました。

A:十分満足できると判断されるもの ⇒ 指示されたこと以上の取組が見られる

B:おおむね満足できる状況と判断されるもの ⇒ 指示されたことができている

C:努力を要する状況と判断されるもの ⇒ 指示された内容に達していない

そして「まずはBを目指しましょう」と続きます。まずは指定された通りに書く。そのうえで1行足せばAです。

お子さまのノートを見るときのチェック項目

ご家庭で確認する場合は、次の順で見ていただくと分かります。

見るところ 確認すること
① 空白のページ 埋まっていない日がないか。プリントが全部埋まっているか。ここが空くとCの条件に当たる
② 指定の形 教科のプリントに書かれた形(見開き・日付・単語練習の欄など)が守られているか
③ 自分の言葉 板書以外に、1行でも自分で書いたものがあるか。なければ、そこがBで止まっている理由
④ 続いているか すすき野中学校の資料は「継続的に記入されている」と書いている。1回だけでは足りない

とくに④の「継続的に」は見落とされやすいところです。テスト前に慌てて数ページ書き足しても、続いていなければAにはなりません。毎回の授業で1行が、いちばん確実です。

「主体的に学習に取り組む態度」は挙手では決まりません

ノートの話をすると、必ずいただくのが「うちの子は手を挙げないから」というご心配です。

これについては、国の資料がはっきり否定しています。文部科学省・国立教育政策研究所の資料には、この観点について「挙手の回数や毎時間ノートを取っているかなど、性格や行動面の傾向が一時的に表出された場面を捉える評価であるような誤解」が指摘されている、と書かれています。

実際、王禅寺中央中学校の理科の資料で、主体的に学習に取り組む態度の評価方法として挙げられていたのは「授業中の発言・発表の内容」と「ワークシートの記述内容」の2つだけでした。しかも発言は「回数」ではなく「内容」と書かれています。

つまり、手を挙げる回数ではなく書かれたもので見られているということです。人前で話すのが苦手なお子さまでも、ノートで示すことができます。

ノートは、テストの点にも効きます

ノートの効果は評定だけではありません。

王禅寺中央中学校の社会では、思考・判断の評価材料としてワークシートの「今日の授業で気づいたこと、分かったこと」の内容が挙げられていました。毎回の授業で書くこの欄が、そのまま観点別評価の材料になっているということです。

そして当塾が確認した2026年3月までの解答用紙を集計すると、思考・判断・表現の配点が大きい科目もはっきりありました。

学校・科目 思考・判断・表現の割合
あざみ野中学校・国語 1年50%/2年66%/3年60%
すすき野中学校・国語 1年52%/2年55%/3年59%
すすき野中学校・英語 1年58%/2年50%/3年41%
王禅寺中央中学校・数学 1年44%/2年43%/3年49%

※ 2026年3月までに実施された定期テストの解答用紙のうち、採点表の観点別配点を確実に読み取れた回を合算し、比率に直したものです。年度・担当の先生によって変わります。

思考・判断・表現で問われるのは、自分の言葉で説明できるかです。ノートに「つまり〜ということ」と書く習慣は、そのまま記述問題の練習になります。

観点別評価は、その観点の満点に対して8割取ればA、5割でBという基準で付けられます(90%以上でA○)。この基準は3校で共通です。

教科別・実際に書ける「1行」の例

「1行足す」といっても、何を書けばいいか思いつかないことがあります。教科ごとに、実際に書ける形を挙げておきます。

教科 書ける1行の例
数学 「この解き方を選んだのは、〜だから」/「もう1つの解き方でもできた」/「〜のときは使えない気がする、なぜ?」
理科 「この実験でこの器具を使う理由は〜」/「もし〜を変えたらどうなるんだろう」/資料集で調べた関連事項を1つ
社会 「これは〇月に習った〜とつながっている」/「なぜこの時期にこの政策が出たのか」/地図帳で位置を確認して一言
英語 「この文型は〜のときに使う」/「日本語だと語順が逆になる」/自分で作った例文を1つ
国語 「筆者が言いたいのは、つまり〜」/「この表現があると〜な感じがする」/知らなかった語句の意味を調べて1つ

どれも1行です。「つまり」と「なぜ」の2語から始めると、たいてい何か書けます。

いちばん強いのは「疑問」を書いて、家で調べること

5つの中でも、当塾がとくに勧めているのが疑問を書くことです。理由は3つあります。

  • 授業中に必ず1つは出る(分からないところがゼロの授業はない)
  • 書いた疑問を家で調べれば、それがそのまま「授業で触れていないような新たな知識」になる
  • 調べた内容がテストの記述問題で効くことがある

すすき野中学校の理科の資料には、Aの目安として「授業で触れていないような新たな知識・知見が含まれている」「一定の労力をかけないと作成できないレベルのノートとなっている(資料集をまとめているなど)」と書かれていました。資料集を1つまとめるだけでも、その条件に当てはまります。

時間がない日は「疑問だけ」でかまいません

毎日調べるのは大変です。疑問を書いておくだけでも、書いていないよりずっといいと考えてください。

王禅寺中央中学校の数学の「ノートづくりの工夫」にも、「学習の中での疑問」がそのまま項目として挙げられています。調べたかどうかではなく、自分で考えた跡があるかが見られています。

そして週末に、たまった疑問をまとめて2つ3つ調べる。この形なら続きます。

あわせて読みたい|よく読まれている記事



成績の上がる正しい勉強法【質・量・気持ち】とは?
がんばっているのに点数が動かないとき、原因は「質・量・気持ち」のどこかにあります。理解×暗記×演習の手順、丸つけの鉄則、やりがちなNG学習法まで、今日から直せる形でまとめました。
記事を読む →



成績が上がった生徒に共通する勉強法
「成績が伸びる子」に共通するのは、生まれつきの才能ではなく“勉強のやり方”でした。あざみ野・すすき野の成功事例と学習科学から、ご家庭でもすぐ真似できる習慣を具体的に紹介します。
記事を読む →



すすき野中・あざみ野中の先生別出題傾向を徹底分析
同じ中学でも、担当の先生によってテストに出る単元や問題の形式は変わります。すすき野中・あざみ野中の過去問を10年以上分析してわかった傾向をまとめました。
記事を読む →

観点別評価で点を取る(シリーズ)

評定の計算式・8割でAになる基準・学校別のデータは内申点と観点別評価のしくみにまとめています。

  • 9月の前期期末から逆算する 夏休みの残り2週間でやること3つ
  • ワークの終わらせ方 解いただけならB、丸つけと直しまででA
  • 提出物で落とさない 期限・記名・空欄の3つで防げる
  • 数学の観点別攻略 あざみ野中は知識7割、王禅寺中3年は半々
  • 英語の観点別攻略 同じ中1でも学校で正反対

あざみ野中・すすき野中・王禅寺中央中でノートをAにするために

最後に、要点を整理します。

  • ノート・ワークシートは3つの観点すべての材料になっている
  • 板書を写してプリントを埋めた=Bそこに自分で調べたことが継続的に書いてある=A
  • すすき野中学校の理科の資料には「黒板を写すことは重要視していません」と明記されている
  • 王禅寺中央中学校は「自分で工夫して解説している」「他の人が見て分かるを目指そう
  • 足すのは1行でよい。疑問・前の学習とのつながり・自分の言葉での言い換えの3つから選ぶ
  • 主体的に学習に取り組む態度は挙手では決まらない。発言も「回数」ではなく「内容」で見られている
  • 教科ごとに書き方が指定されていることがある。最初の授業のプリントで確認する

ノートで評価が変わるのは、時間をかけたからではありません。写したものの下に、自分のものを1行足したかどうかです。

次の授業から、最後の1分だけ「今日いちばん分からなかったこと」を書いてみてください。それを家で調べて追記すれば、資料が求めているAの形になります。

当塾でも、近隣中学校の定期テストを10年分以上にわたって毎年確認し、生徒が実際に使っているノートを見ながら「あと何を足せばよいか」を一緒に整理しています。この記事でご紹介した方法は、その中で実際に使っているものです。ご家庭でもそのまま試していただけますので、ぜひ役立てていただければと思います。

※ 本記事は2026年度(令和8年度)に配布された資料および、当塾が保有する過去問・解答用紙をもとに構成しています。評価の方法は年度・学年・教科・担当の先生によって変わることがあります。最新の内容は、お子さまが受け取っている資料をご確認ください。

✍ この記事を書いた人|石川(MySTEPスタッフ)

指導実績10年|資格:教員免許

【指導科目】小学生:英語・算数・国語・理科・社会/中学生:英語・数学・国語・理科・社会/高校生:英語・数学(ⅠA/ⅡB/ⅢC)・国語(現代文/古典/漢文)・理科(物理・化学・生物)

▶ プロフィール詳細