夏休みの残りで差がつく|9月の前期期末テストから逆算する勉強法

こんにちは!MySTEPスタッフの石川です。

お盆が過ぎると、夏休みも残り2週間ほど。「宿題は終わったけれど、そのあと何をすればいいのか分からない」というご相談を、この時期は毎年いただきます。

答えははっきりしています。9月の前期期末テストから逆算することです。

この記事では、あざみ野中学校・すすき野中学校・王禅寺中央中学校に通うお子さまが、夏休みの残りで何をすればいちばん成績に効くのかを、当塾が10年分以上にわたって確認してきた過去問・解答用紙のデータと、学校が配布している資料をもとに整理します。

横浜市・川崎市の中学生にとって、9月のテストは想像以上に重い

まず、いつ何があるのかを確認します。

横浜市・川崎市の中学校は2学期制です。定期テストは年に4回、次の流れで行われます。

テスト おおよその時期 評定への入り方
前期中間 6月 前期の評定へ
前期期末 9月 前期の評定へ
後期中間 11月中旬 後期の評定へ(中3の入試内申はここまで
学年末 2月 学年末の評定へ(中2の入試内申はここまで

※ 実施時期は学校・年度によって前後します。すすき野中学校のある教科の資料では、テストの実施はおおよそ6月・9月・11月・2月、範囲の発表は実施の1週間前ごろまでと案内されていました。最新の日程は学校からの連絡でご確認ください。

中学3年生にとっては、残り2回のうちの1回

ここが、いちばん見落とされやすいところです。

神奈川県の公立高校入試で使われる内申点は、次のように計算されます。

(中2の9教科の評定合計)+(中3の9教科の評定合計)×2135点満点

そして中学3年生の場合、入試に使われるのは11月中旬の後期中間テストまでの成績です。11月末に出る後期の成績が使われます。2月の学年末テストは、入試の内申には入りません

つまり中3の勝負は、前期中間・前期期末・後期中間の3回だけ。6月の前期中間はもう終わっているので、残っているのは9月と11月の2回です。

中学3年生…… 残り2回。9月のテストは、入試に使う中3の評定材料として残る2回のうちの1回(中3の内申は2倍で計算)

中学2年生…… 3月の学年末まで。ただし積み上げが評定になるので、9月から崩すと戻すのが大変

中学1年生・2年生にとっても、9月のテストは軽くありません。あとで詳しく触れますが、提出物やノートで評価される部分は「積み重ね」で見られているため、9月に型を作れるかどうかが後期にそのまま響きます。

夏休みの残りでやることは、たった3つ

やることを増やしても続きません。当塾が生徒と面談するときも、この3つに絞っています。

やること かかる時間 効く場所
① 弱点を「観点」で特定する 親子で10分 次に何をやるかが1つに絞れる
② 提出物の「型」を作る 1教科15分 主体的に学習に取り組む態度
③ 6月のテスト範囲をやり直す 1教科60分 知識・技能

順に説明します。

① 弱点を「点数」ではなく「観点」で特定する

1学期に返ってきた通知表と、6月の前期中間テストの解答用紙を用意してください。

見るのは合計点ではありません。通知表の評定の左にある、3つの観点です。

  • 知識・技能……学んだことを理解している
  • 思考・判断・表現……学んだことを使って自分で考えている、考えを説明できている
  • 主体的に学習に取り組む態度……学んだことを生かして、さらに学びを深めている

この3つはA○・A・B・C○・Cの5段階で付けられ、点数に直して合計したものから評定が決まります

観点別評価 点数 3観点の合計 評定
A○ 5点 15点〜14点 5
A 4点 13点〜11点 4
B 3点 10点〜8点 3
C○ 2点 7点〜5点 2
C 1点 4点〜3点 1

たとえば「B・A・B」なら3+4+3=10点で評定311点で評定4ですから、あと1点です。どれか1つのBをAにすれば届きます。

この計算をすると、「全部がんばる」から「この1つを上げる」に変わります。夏休みの残り2週間でできることは限られていますから、この絞り込みがそのまま結果を分けます。

解答用紙の「観点ごとの欄」を見てください

次に、6月のテストの解答用紙です。

近隣3校の定期テストは、観点ごとに分けて採点されています。あざみ野中学校の資料には、こう書かれていました。

観点ごとに問題がつくられています。それぞれの観点ごとの得点を見て、概ね次のカッティングポイントにしたがって評価をします

そのカッティングポイントが、これです。この90%・80%・50%という境目は、あざみ野中学校・すすき野中学校・王禅寺中央中学校で共通しています。

その観点での達成率 評価
90%以上 A○
80%以上 A
50%以上 B

解答用紙の採点表に、観点ごとの得点が印刷されています。そこで「その観点の満点に対して何割取れたか」を出してください。8割に届いていない観点が、夏休みの残りで手を入れる場所です。

例:知識56点/思考44点のテストだった場合

知識でAを取るには 56点 × 80% = 45点

思考でAを取るには 44点 × 80% = 35点

⚠ 満点は100点とは限りません

当塾が確認した3校の解答用紙を集計すると、定期テストの満点が100点ではない回がかなりあります

あざみ野中学校 国語100点・160点/社会36点・70点・75点/数学50点・70点/英語70点〜100点

すすき野中学校 社会48点・50点・75点・90点・100点

王禅寺中央中学校 国語60点〜120点/理科40点〜100点/英語77点〜100点/社会100点・103点・108点

ですから「60点だった」という数字だけでは、良いのか悪いのか判断できません。必ず「その観点の満点に対する割合」で見てください

② 提出物の「型」を、9月が始まる前に作っておく

2つめは、いちばん見返りが大きいところです。

「主体的に学習に取り組む態度」は、提出物・ノート・ワークといった、やり方を変えればすぐ反映される材料で評価されています。テストの点を10点上げるより、こちらのほうが早く届くことがほとんどです。

そして重要なのは、この観点は挙手や性格では決まらないということです。文部科学省・国立教育政策研究所の資料には、「挙手の回数や毎時間ノートを取っているかなど、性格や行動面の傾向が一時的に表出された場面を捉える評価であるような誤解」が指摘されている、と書かれています。

王禅寺中央中学校の数学の資料では、この観点がこう定義されていました。

主体的に学習に取り組む態度
上の2観点をみにつけるための粘り強い取り組みと、その取り組みを調整する力

AとBの差は「やった」か「やって、さらに一歩」か

近隣3校の資料を読むと、AとBの差が驚くほど具体的に書かれています。しかも4つの出典が、まったく同じ形をしています

出典 Bの状態 Aの状態
県教委の数学の事例 どちらの方法で解くか書いてある +その理由が書いてある
すすき野中・英語 指示されたことができている 指示されたこと以上の取組が見られる
すすき野中・理科(ノート) 授業プリントを全て埋めている 全て埋めて+自分で調べたことが継続的に書かれている
王禅寺中央中・数学(ワーク) 全ページ解いている +丸付けをし、間違いは途中式まで書いて解法を確認している

「やった」から「やって、さらに一歩」がAとBの境目です。これは勉強時間の長さではなく、やり方の差です。

夏休みのうちに決めておく3つのルール

9月が始まってから考えると間に合いません。夏休みのうちに、家庭でこの3つを決めておいてください。

決めること 中身
ワークの終わらせ方 解くだけで終わらせない。丸つけをして、間違えた問題には正しい答えを書き込むまで。数学なら途中式まで書いて解法を確認する
ノートの足し方 板書を写すだけで終わらせない。気づいたこと・疑問を1行足す。すすき野中学校の理科の資料には「黒板を写すことは重要視していません」と明記されている
提出物の確認手順 出す前に期限・記名・空欄なしの3つを毎回確認する。すすき野中学校のある教科の資料では、空欄があると減点、記名がないか期限を過ぎると採点の対象外と明記されている

この3つは、能力ではなく手順で守れます。夏休みのうちに1回やってみて、体に入れておくのが効きます。

③ 6月のテスト範囲を、知識だけやり直す

3つめは、いちばん地味ですが確実です。

9月の前期期末テストは、多くの場合6月以降に習った範囲が中心になります。ただし、6月の内容が土台になっている単元も多く、そこが抜けたままだと9月に取れません。

ここでやることを「知識・技能」に絞るのがポイントです。理由は2つあります。

  • 短時間で埋まる(用語・漢字・計算は、やれば必ず入る)
  • 近隣3校は知識・技能の配点が大きい科目が多いため、そのまま点数に直結する

当塾のデータで見た、3校の「知識の重さ」

当塾が確認した2026年3月までの解答用紙を集計すると、知識・技能が配点の6割以上を占めるのは次の科目・学年でした。

学校 知識・技能が6割以上だった科目(学年)
あざみ野中学校 数学(1年71%・2年71%・3年66%)/英語(1年81%)/社会(2年61%)
すすき野中学校 社会(1年62%・3年74%)/数学(1年62%・3年61%)/理科(1年62%)
王禅寺中央中学校 国語(1年89%・3年71%)/社会(1年72%・3年70%)/理科(1年72%・2年65%・3年63%)/英語(1年62%・2年66%)

※ 2026年3月までに実施された定期テストの解答用紙のうち、採点表の観点別配点を確実に読み取れた回を合算し、比率に直したものです。年度・担当の先生によって変わります。

この表の科目は、用語・漢字・計算の抜けを埋めるだけで点数が動きます。夏休みの残りで最優先に手を入れる場所です。

逆に、思考・判断・表現の比重が大きいのは、あざみ野中学校の国語(2年66%・3年60%)、すすき野中学校の英語(1年58%)と国語(3年59%)などでした。こちらは記述の練習が必要なので、夏休みの2週間より9月からの積み重ねが効きます。

やり直す範囲の決め方

「6月の範囲を全部」では終わりません。次の順で絞ってください。

1. 解答用紙で知識の欄だけを見て、間違えた問題に印をつける

2. その問題が載っているワークのページを開き、周辺の問題も含めて解き直す

3. 解き直したら丸つけをして、間違えたところに正しい答えを書き込む(これで②の型にもなる)

1教科60分もあれば終わります。5教科でも1日1教科ずつ、5日間です。

残り2週間の割り振り例

3つやることが決まったら、あとは日付に落とすだけです。1日30分〜60分で終わる分量に割ってあります。

やること 目安
1日目 通知表と解答用紙を並べ、3観点を点数化して合計を出す。5教科ぶん。上げる観点を1教科につき1つ決める 親子で10分
2〜6日目 1日1教科ずつ、6月の範囲を知識だけやり直す。解答用紙で間違えた問題→ワークの該当ページ→丸つけと直しまで 1日60分
7日目 休み。丸1日空ける日をあらかじめ入れておくと、遅れた日を吸収できて計画が崩れない
8〜12日目 1日1教科ずつ、やり直したところをもう一度だけ解く。2回目は解ける問題が増えているので30分で終わる 1日30分
13日目 提出物の型を1回やってみる。ワークを1ページ、丸つけと直しまで。ノートに1行足す練習も 30分
14日目 教科書とノートを見て、9月に習う範囲の見出しだけ眺めておく。読むだけでよい 20分

この表で大事なのは7日目の「休み」です。計画が崩れる原因のほとんどは、詰め込みすぎて1日遅れたときに立て直せないことにあります。最初から空白の日を入れておくと、遅れても計画のまま戻れます。

また、2周目(8〜12日目)を入れているのにも理由があります。1回解き直しただけでは、9月のテストのときには忘れています。間隔をあけてもう一度触ると定着が大きく変わります。2回目は解ける問題が増えているので、時間は半分で済みます。

宿題が終わっていない場合は、そちらが先です

ここまでの話は、夏休みの宿題が終わっていることが前提です。まだ残っている場合は、そちらを優先してください。

理由は単純で、夏休みの課題そのものが評価の材料になっているからです。すすき野中学校の数学の資料には、評価する提出物として「夏休み・冬休みの課題(休み明け最初の授業で提出)」が明記されていました。王禅寺中央中学校の社会でも、1年間の提出物のひとつとして夏休みの宿題が挙げられています。

そして提出物は、期限を過ぎると採点の対象外になる場合があります。間に合わせること自体が点になると考えてください。

学校によって、力を入れる場所は変わります

ここまで3校をまとめて書いてきましたが、実際には学校・教科・学年で配点の重心がかなり違います

いちばん分かりやすいのが1年生の英語です。

あざみ野中学校の1年英語…… 知識81:思考19

すすき野中学校の1年英語…… 知識42:思考58

同じ「中1の英語」でも、ほぼ正反対です。あざみ野中学校では単語・語順整序といった知識の側が8割を占め、すすき野中学校ではリスニングをはじめとする思考の側が6割近くを占めていました。

同じ勉強のしかたをしても、学校が違えば効き方が変わるということです。お子さまの学校の傾向は、それぞれの記事にまとめています。

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評定の計算式・8割でAになる基準・学校別のデータは内申点と観点別評価のしくみにまとめています。

  • ワークの終わらせ方 解いただけならB、丸つけと直しまででA
  • ノートに足す「1行」 板書を写すだけではAにならない
  • 提出物で落とさない 期限・記名・空欄の3つで防げる
  • 数学の観点別攻略 あざみ野中は知識7割、王禅寺中3年は半々
  • 英語の観点別攻略 同じ中1でも学校で正反対

あざみ野・すすき野の中学生が、9月のテストに向けていま確認したいこと

最後に、夏休みの残りでやることを整理します。

  • 横浜市・川崎市は2学期制。定期テストは年4回で、次は9月の前期期末
  • 中3は残り2回(9月・11月)。入試の内申は11月中旬の後期中間までで決まる
  • 通知表は3観点を点数化した合計で決まる。11点で評定4、あと1点で変わることがある
  • その観点で8割取ればA、5割でB。この基準は3校で共通
  • 解答用紙は合計点ではなく観点ごとの欄を見る。満点は100点とは限らない
  • 提出物の型は夏休みのうちに作る。ワークは丸つけと直しまで、ノートは1行足す、提出物は期限・記名・空欄なし
  • やり直しは知識・技能に絞ると短時間で点になる。3校とも知識の配点が大きい科目が多い

夏休みの残りは限られています。だからこそ、やることを増やすのではなく、どこがあと一歩なのかを数字で見つけて、そこだけに手を入れるのがいちばん確実です。

通知表と6月の解答用紙を並べて、親子で10分。それだけで、9月までにやることが1つに絞れます。

当塾でも、あざみ野中学校・すすき野中学校・王禅寺中央中学校の定期テストを10年分以上にわたって毎年確認し、問題用紙だけでなく解答用紙の採点表まで分析したうえで、生徒一人ひとりと同じように優先順位を整理しています。この記事でご紹介した手順は、その中で実際に使っているものです。ご家庭でもそのまま試していただけますので、ぜひ役立てていただければと思います。

※ 本記事は2026年度(令和8年度)に配布された資料および、当塾が保有する過去問・解答用紙をもとに構成しています。テストの日程や評価の方法は年度・学年・教科・担当の先生によって変わることがあります。最新の内容は学校からの連絡と、お子さまが受け取っている資料をご確認ください。

✍ この記事を書いた人|石川(MySTEPスタッフ)

指導実績10年|資格:教員免許

【指導科目】小学生:英語・算数・国語・理科・社会/中学生:英語・数学・国語・理科・社会/高校生:英語・数学(ⅠA/ⅡB/ⅢC)・国語(現代文/古典/漢文)・理科(物理・化学・生物)

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