こんにちは!MySTEPスタッフの石川です。
「ワークはちゃんと最後までやっているのに、評定が上がらない」——あざみ野中学校・すすき野中学校・王禅寺中央中学校の保護者さまから、毎年いただくご相談です。
実は、この「ちゃんとやっている」の中身が、評価のうえではBで止まる状態であることがとても多いのです。
そして重要なのは、これが努力の量の問題ではないということ。学校が配布している資料には、AとBの差が驚くほど具体的に書かれています。この記事では、その実物の基準をもとに、ワークをどう終わらせればAに届くのかを整理します。
ワークは「主体的に学習に取り組む態度」の主要な材料です
まず、ワークがどこに効くのかを確認します。
いまの通知表の評定は、次の3つの観点を点数に直して合計したものから決まります。
- 知識・技能……学んだことを理解している
- 思考・判断・表現……学んだことを使って自分で考えている、考えを説明できている
- 主体的に学習に取り組む態度……学んだことを生かして、さらに学びを深めている
ワークが主に効くのは、3つめの「主体的に学習に取り組む態度」です。
近隣3校の教科プリントを見ると、この観点の評価材料としてワークが挙げられている教科がいくつもありました。
| 学校・教科 | 資料に書かれていたワークの扱い |
|---|---|
| すすき野中学校・理科 | 主体的に学習に取り組む態度の材料として、A・B・Cの基準が行動レベルで明記されている |
| すすき野中学校・数学 | 評価対象に問題集(ワーク)が入っている。章ごとにワークテストを実施 |
| すすき野中学校・社会 | 3年では主体的の材料にワークが入っている。評価規準に「範囲すべてのページが解かれている。○付けがされている」 |
| 王禅寺中央中学校・数学 | ワークを「A○・A・B・C○・C」の5段階で評価。チェック内容が3項目で明示されている |
| 王禅寺中央中学校・社会 | 1年間の提出物のひとつ。主体的は「ファイルの内容や授業での取り組みを中心に評価」 |
教科によって扱いは違いますが、ワークが評価の材料になっていない教科はほとんどありません。
「解いて終わり」がBで止まる理由
ここからが本題です。
王禅寺中央中学校の数学の資料には、ワークの評価チェック内容が3項目で書かれていました。
・すべての問題の途中式をしっかりと記入して解き、丸付けをしている
・間違えた問題・解けなかった問題は、途中式まで書き解法を確認している
・期日を守って提出している
そして、すすき野中学校の理科の資料には、A・B・Cが次のように定義されていました。
A:範囲の全てのページが解かれており、採点されており、正しい答えが書き込まれている
B:範囲の全てのページが解かれているが、採点されていない、正しい答えが書き込まれていない
C:範囲の全てのページが解かれていない
ここを読んでいただくと、はっきりします。
最後まで解いた = B。
解いて、丸をつけて、間違いに正しい答えを書き込んだ = A。
つまり「ちゃんと最後までやった」は、評価のうえではちょうどBの状態なのです。そこからAに行くのに必要なのは、追加の勉強時間ではなく丸つけと直しという手順です。
この形は、3校の資料で一致しています
この「やった」と「やって、さらに一歩」という形は、ワークに限った話ではありません。近隣3校と県の資料を並べると、まったく同じ構造をしていました。
| 出典 | Bの状態 | Aの状態 |
|---|---|---|
| 県教委の数学の事例 | どちらの方法で解くか書いてある | +その理由が書いてある |
| すすき野中・英語 | 指示されたことができている | 指示されたこと以上の取組が見られる |
| すすき野中・理科(ワーク) | 全ページ解いている | +採点され、正しい答えが書き込まれている |
| 王禅寺中央中・数学(ワーク) | 解いている | +丸付けをし、間違いは途中式まで書いて解法を確認している |
これは偶然ではありません。「主体的に学習に取り組む態度」は、粘り強さと、自分でやり方を調整する力を見る観点だからです。王禅寺中央中学校の数学の資料には、この観点がそのまま「上の2観点をみにつけるための粘り強い取り組みと、その取り組みを調整する力」と定義されていました。
間違えた問題をそのままにするのは、調整していない状態です。だからBで止まります。
Aになるワークの終わらせ方(4ステップ)
資料に書かれていることを、そのまま手順にするとこうなります。特別なことは何もありません。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1. 解く | 範囲のページを最後まで解く。数学は途中式を書く(答えだけ書くと、間違えたときにどこで間違えたか分からない) |
| 2. 丸をつける | その日のうちに採点する。まとめて後日にすると、なぜそう解いたか思い出せなくなる |
| 3. 正しい答えを書き込む | 間違えた問題・解けなかった問題に、正しい答えを書き込む。数学は途中式まで |
| 4. もう一度解く | 間違えた問題だけ、日をあけてもう一度解く。ここは資料の要求を超える部分ですが、テストの点数に直結します |
1〜3までがAの条件、4はテストのための追加です。1〜3だけなら、かかる時間はほとんど増えません。
「答えを写す」ことになりませんか、というご質問
よくいただく心配です。「丸つけをして正しい答えを書き込む」と、答えを写すだけになってしまうのでは、と。
ここについて、すすき野中学校の数学の資料には、はっきりした方針が書かれていました。問題集は提出しなくても減点はなく、提出すれば加点される扱いで、分からなければ解答を見てよいとされています。ただし赤ペンで途中式を書くことが求められていました。
また、すすき野中学校の数学3年のガイダンスには、テスト直しについてこう書かれています。
解き直しは、途中式から直し、どこがどう違ったのか、なぜ違ったのかをしっかりと理解できるように
つまり、答えを見ること自体は問題ではありません。見たうえで、途中式を追って「どこで間違えたか」が分かる形にしておくことが求められています。
お子さまが答えを写しているだけかどうかは、間違えた問題を1問だけ「これ、どこで間違えたか説明できる?」と聞いてみると分かります。説明できれば、それは写しているのではなく理解しています。
ワークは、テストの点にも直接効きます
ここまで評定の話をしてきましたが、ワークをきちんと終わらせることは知識・技能の点数にもそのまま効きます。
当塾が確認した2026年3月までの解答用紙を集計すると、近隣3校の定期テストは知識・技能の配点が大きい科目が多いことが分かりました。
| 学校 | 数学の知識・技能の割合 | 理科の知識・技能の割合 |
|---|---|---|
| あざみ野中学校 | 1年71%/2年71%/3年66% | 1年50%/2年50%/3年54% |
| すすき野中学校 | 1年62%/2年56%/3年61% | 1年62%/3年50% |
| 王禅寺中央中学校 | 1年56%/2年57%/3年51% | 1年72%/2年65%/3年63% |
※ 2026年3月までに実施された定期テストの解答用紙のうち、採点表の観点別配点を確実に読み取れた回を合算し、比率に直したものです。すすき野中学校の理科2年は、解答用紙の様式が他学年と異なり全体の合計が印刷されていないため、集計から外しています。年度・担当の先生によって変わります。
知識・技能で問われるのは、ワークで扱う基本的な問題がそのまま解けるかです。あざみ野中学校の数学のように配点の7割を知識・技能が占める場合、ワークの反復がそのまま得点になります。
観点別評価は、その観点の満点に対して8割取ればA、5割でBという基準で付けられます(90%以上でA○)。この基準は3校で共通です。ワークの2周目まで済ませておくと、この8割に届く確率が大きく変わります。
教科によって、ワークの回し方は変えたほうがいい
「ワークをやる」と一言でいっても、教科によって効かせどころが違います。当塾が生徒に伝えている使い分けを載せておきます。
| 教科 | 回し方のポイント |
|---|---|
| 数学 | 途中式を必ず書く。答えだけ書くと、間違えたときにどこで間違えたか分からず、直しができない。間違えた問題は日をあけてもう一度解く |
| 英語 | 書いて終わりにせず声に出して読む。単語は「読める」で止めず書けるところまでやる(語順整序や英作文で差が出る) |
| 理科 | 用語を答える問題は覚えれば取れる。実験の手順と理由を問う問題は、教科書の図に戻って確認する |
| 社会 | 用語の暗記に加えて、資料・グラフの読み取り問題を飛ばさない。近隣3校とも頻出項目の上位に入っている |
| 国語 | 漢字は確実に取る。読解の記述は模範解答を写すだけで終わらせず、なぜその答えになるかを一言書き足す |
2周目をやると、テストの点が変わります
ここまではAを取るための条件(1周+丸つけ+直し)の話でした。テストの点数を上げたいなら、もう1段あります。
1回解き直しただけでは、テストのときには忘れています。間違えた問題だけを、日をあけてもう一度解く。これが2周目です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 授業のあった日 | その日に習った範囲を解く。丸つけと直しまでその日のうちに(時間がたつと、なぜそう解いたか思い出せない) |
| テスト2週間前 | 範囲の残りを終わらせる。ここで1周目を完了させておく |
| テスト1週間前 | 間違えた問題だけ2周目。解ける問題が増えているので、1周目の半分以下の時間で終わる |
| テスト前日 | 2周目でも間違えた問題だけ、3周目。ここまで残る問題は数問しかない |
この形にすると、回を追うごとに問題数が減っていきます。だから最後まで続けられます。逆に、毎回1ページ目から全部やり直すやり方は、時間ばかりかかって終わりません。
すすき野中学校の数学では章ごとにワークテストを実施すると資料に書かれていました。章が終わったタイミングで1周目を終えておくと、そのまま対策になります。
「2周目でも間違えた問題」に印をつけておく
ここが、いちばん効率が上がるところです。
1周目で間違えた問題に印をつけ、2周目でも間違えたらもう1つ印を足す。印が2つついた問題が、その子にとっての本当の弱点です。テスト前日はそこだけ見れば済みます。
王禅寺中央中学校の数学の資料には、レポートの評価チェック内容として「自分なりに学習を振り返り、今後に向けて具体的な改善策を考えている」という項目がありました。印をつけて弱点を絞り込む作業は、まさにこの「振り返りと改善策」にあたります。
提出のタイミングは、教科ごとに違います
最後に、実務的な注意点です。
ワーク(あるいはそれに相当する提出物)をいつ出すのかは、教科によってまったく違います。近隣3校の資料を見ると、こうなっていました。
| 学校・教科 | 提出のタイミング |
|---|---|
| すすき野中学校・数学(3年) | クリアノートを章ごとに提出 |
| すすき野中学校・数学(1年) | 台紙プリントは原則、定期テストの日に提出。ワークは章ごとにワークテスト |
| 王禅寺中央中学校・社会 | ファイルを定期テストが終わるごとに提出 |
「テスト前にまとめて」というつもりでいると、章ごとの提出に間に合いません。教科ごとの提出タイミングは、最初の授業で配られたプリントに書かれています。夏休みのうちに一度確認しておくと、9月から慌てずに済みます。
そして共通して書かれているのが「期日を守って提出している」という項目です。すすき野中学校のある教科の資料では、期限を過ぎたものや記名のないものは採点の対象外になると明記されていました。どれだけ中身が良くても、出さなければ評価されません。
よくあるつまずきと、その対処
ワークの話をすると、決まっていただくご相談があります。実際に当塾で答えている内容をそのまま載せます。
「テストの範囲が広くて、ワークが終わらない」
これはほぼ全員が通る壁です。原因はワークを1ページ目から順に、テスト前にまとめてやろうとしていることにあります。
対処は1つで、授業のあった日に、その日の範囲だけ解くことです。1回あたり10分〜15分で済みます。テスト2週間前の時点で1周が終わっていれば、あとは間違えた問題だけなので余裕が生まれます。
すすき野中学校の数学では章ごとにワークテストを実施すると書かれていました。章のペースで進めておけば、そのまま対策になります。
「答えを写しているだけに見える」
丸つけと直しをさせると、必ず出てくる心配です。
確認方法はかんたんで、間違えた問題を1問だけ「これ、どこで間違えたか説明できる?」と聞いてみることです。説明できれば、それは写しているのではなく理解しています。
説明できない場合は、答えだけ書いて途中式を書いていないことがほとんどです。王禅寺中央中学校の数学の資料に「間違えた問題・解けなかった問題は、途中式まで書き解法を確認している」とあるのは、まさにここを見ているからです。
「解いても解いても、テストで同じところを間違える」
これは、間違えた問題に印をつけていないことが原因です。
1周目で間違えた問題に印をつけ、2周目でも間違えたらもう1つ足す。印が2つついた問題が、その子にとっての本当の弱点です。テスト前日はそこだけ見れば済みます。
印をつけずに毎回1ページ目から解き直すと、できる問題ばかり繰り返すことになり、弱点は残ったままになります。
「量をこなしているのに点が伸びない」
ワークを何冊も買い足している場合に起きます。
定期テストは学校で配られたワークの範囲から出るのが基本です。近隣3校の資料でも、評価材料に挙げられているのは学校のワーク・問題集・プリントでした。まず学校のワークを2周する。市販の教材を足すのは、それが終わってからです。
すすき野中学校の対策をもっと詳しく
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- ノートに足す「1行」 板書を写すだけではAにならない
- 提出物で落とさない 期限・記名・空欄の3つで防げる
- 数学の観点別攻略 あざみ野中は知識7割、王禅寺中3年は半々
- 英語の観点別攻略 同じ中1でも学校で正反対
あざみ野中・すすき野中・王禅寺中央中でワークをAにするために
最後に、要点を整理します。
- ワークは主に「主体的に学習に取り組む態度」の材料。3校の多くの教科で評価対象になっている
- 最後まで解いた=B。丸をつけて、間違いに正しい答えを書き込んで=A
- この「やった」と「やって、さらに一歩」の形は、県と3校の4つの資料で一致している
- 数学は途中式まで書いて解法を確認する。答えを見ること自体は問題ない
- 近隣3校は知識・技能の配点が大きい科目が多いので、ワークの反復はテストの点にも直結する
- その観点で8割取ればA、5割でB。ワークの2周目が8割に届くかを分ける
- 提出のタイミングは教科ごとに違う。章ごとの教科もある。最初の授業のプリントで確認する
ワークをAにするために必要なのは、時間ではなく終わらせ方です。「解いて終わり」を「解いて、丸をつけて、直して終わり」に変えるだけで、評価のうえでは1段階変わります。
今日のワークから、丸つけと直しまでをセットにしてみてください。それだけで、次の通知表の景色が変わるかもしれません。
当塾でも、近隣中学校の定期テストを10年分以上にわたって毎年確認し、問題用紙だけでなく解答用紙の採点表まで分析したうえで、生徒一人ひとりのワークの使い方を一緒に整えています。この記事でご紹介した手順は、その中で実際に使っているものです。ご家庭でもそのまま試していただけますので、ぜひ役立てていただければと思います。
※ 本記事は2026年度(令和8年度)に配布された資料および、当塾が保有する過去問・解答用紙をもとに構成しています。評価の方法は年度・学年・教科・担当の先生によって変わることがあります。最新の内容は、お子さまが受け取っている資料をご確認ください。