こんにちは!MySTEPスタッフの石川です。
「毎日ちゃんと勉強しているのに、テストの点数が上がらない」——保護者面談でいちばん多くいただくご相談です。がんばっているのに結果が出ないとき、原因は「やる気が足りない」ことではありません。成績を決める3つの要素「質・量・気持ち」のどこかが欠けているだけです。
この記事は、当塾が長年の指導のなかで整理してきた「成績が上がる3要素」を、今日から実行できる形にまとめた完全版です。チェックリストや教科別の具体例も入れましたので、学年を問わず活用できます。少し長いので、気になるところから読んでいただいて構いません。

成績は「質 × 量 × 気持ち」の掛け算で決まる
成績が伸びない原因を探すとき、当塾ではまず次の3つに分けて考えます。
① 質=正しい勉強法で学べているか
② 量=必要な勉強時間を確保できているか
③ 気持ち=上げたいという気持ちと、それを支える環境があるか
ここで大切なのは、これが足し算ではなく掛け算だということです。どれかひとつがゼロに近いと、他がどれだけ大きくても結果はゼロに近づきます。「3時間も勉強したのに点数が変わらなかった」という場合は、量はあっても質がゼロに近かった、ということが起きています。
逆に言えば、いちばん低い要素を引き上げるのが、いちばん効率のよい成績アップです。まずはお子さんがどれで止まっているのかを見つけるところから始めましょう。
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【質】正しい勉強法とは「理解 × 暗記 × 演習」がそろうこと
勉強の質は、さらに3つの工程に分けられます。この3つも掛け算です。理解しないまま暗記しても忘れますし、暗記しないまま演習しても解けません。どれかを飛ばした状態で時間だけをかけても、成果につながらないのです。
工程① 理解:「自分の言葉で説明できる」がゴール
教科書を読んで「わかった気がする」で止まっていませんか。理解のゴールは、その内容を年下の子に説明できることです。当塾では次の手順をおすすめしています。
1. 教科書で内容を読む
2. 「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうやって」で情報を整理する
3. わからない用語を調べ、やさしい言葉に置き換える
4. 「もし年下の子に説明するなら」と考えて、自分の言葉で言い直す
5. 「なぜそうなったのか」を自分で予想してから、答えを確かめる
6. 説明できない部分が出てきたら、1に戻る
たとえば歴史の「ペリー来航」なら、「提督」「艦隊」「開国要求」「国書」といった難しい言葉を、まず自分がわかる言葉に置き換えます。そのうえで「なぜアメリカは日本に来たのか」「なぜ日本は断れなかったのか」を説明できれば、その単元は理解できたと言えます。
この工程で最も危険なのが、教科書を「読むだけ」、ノートに「まとめるだけ」の勉強です。手は動いていても、頭の中に説明できる知識は残りません。読む・まとめるは準備であって、勉強の本体ではないと考えてください。
工程② 暗記:書く回数ではなく「思い出す回数」を増やす
暗記でいちばん多い失敗は、「ノートに何十回も書くだけ」で終わってしまうことです。書いている間、実は頭はほとんど働いていません。覚えたかどうかは「思い出せるかどうか」でしか確かめられないからです。
正しい暗記は次の4ステップです。
1. インプットの時間を最小限にして、アウトプット(思い出す作業)の時間を最大にする
2. 多くの情報を一気に覚えず、細かく区切ってブロックごとに覚える(20個をまとめてではなく5個ずつ)
3. ブロックごとに覚えた内容を、最後にまとめてテストする
4. 1〜3を定期的に繰り返す(その日・翌日・1週間後と、忘れかけた頃にもう一度)
当塾でアルファベットを習いたての小学生にこの方法を実践してもらったところ、たった2時間で100個の単語を書けるようになりました。「覚えるのが苦手」なのではなく、覚え方を知らなかっただけ、というケースは本当に多いのです。
工程③ 演習:3分考えて解けなければ、それは「できない問題」
演習は「解いて終わり」ではありません。理解・暗記した内容が本当に身についているかを確かめる工程です。ルールはシンプルです。
1. ポイントや解説を見ずに、まず3分考える
2. 3分で解けない問題は誤答として扱い、解説で解き方を確認する
3. もう一度ポイントを見ずに解き直して、本当に理解できたかを確かめる
「解説を見ながら解いて正解した問題」を丸にしてしまうと、テスト本番で必ず落とします。厳しいようですが、自力で解けなかった問題はすべて×——この基準で仕分けできる生徒は、驚くほど短期間で伸びます。
工程④ 丸つけ:ここを変えるだけで点数が動く
意外に思われるかもしれませんが、当塾が指導で最も時間をかけるのが丸つけです。ここに4つの鉄則があります。
1. 1単元解き終わったら、すぐに丸つけをする(時間が経つと、なぜそう考えたかを忘れてしまいます)
2. 間違えた問題は、間違えた原因を考えてから解き直す
3. 説明を見ながら解いた問題は誤答として、解き直しまでする
4. 符号ミスなどのケアレスミスも誤答として、解き直しまでする
4つ目に驚く方が多いのですが、ケアレスミスは「本当はできる問題」ではありません。本番でも同じように落とすのですから、対策が必要な弱点です。「もったいなかったね」で流さず、なぜ起きたのか(途中式を書いていない、見直しの手順がない等)まで踏み込みます。
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演習後の「2つの説明」——ここが成績上位者との分かれ目
ここからが、成績が伸びる子と伸びない子の最大の差です。上位の生徒は、丸つけの後に必ず2種類の説明をしています。
説明その1:「知識」の説明(4ステップ)
1. 間違えた選択肢と正答の解説を読む
2. 自分が理解・暗記していた知識の何が違っていたのかを確認する
3. 他の選択肢についても正誤の理由を確認し、知識を広げる
4. 教科書などで追加情報を調べ、参考書やノートに書き込む
正解した問題も「なぜ合っていたのか」を言えるかどうかが分かれ目です。「なんとなく選んだら合っていた」は、次に間違える問題です。
説明その2:「勉強法」の説明(3ステップ)
1. なぜ間違えたのか、原因を明確にする(理解不足か、暗記不足か、応用力不足か)
2. では勉強法の何を変えるのか、具体的に挙げる
3. それを実際に実行する
ここで「次はがんばります」で終わらせないことが決定的に重要です。「なぜ・何を・いつまでに・どうやって」まで言葉にできて、はじめて次のテストが変わります。同じミスを繰り返す生徒は、たいていこの工程を飛ばしています。
教科別の実例① 社会(歴史)
「日本の貿易」に関する選択問題で、平清盛の日宋貿易の場所を「神戸」と答えて、正答が「堺」だったとします。上位の生徒はこう整理します。
知識の説明:「平清盛が関西で日宋貿易を行っていたことはわかっていたが、詳しい場所までは暗記していなかった。勘合貿易が堺で行われたことも忘れていた。選択肢3のアメリカ総領事館が置かれたのは静岡県の下田。選択肢2の勘合貿易(日明貿易)は1404年、室町幕府が明との間で行ったもの」
勉強法の説明:「出来事の内容は把握していたが、年号や場所までは暗記していなかった。これからは出来事を暗記するとき、最低でも『いつ(年号)・誰が・どこで・どのように・どうなった』の5要素をセットで覚えるようにする」
教科別の実例② 英語(文法・会話表現)
依頼表現の問題で「Could you 〜?」を選び、正答が「Shall I 〜?」だった場合です。
知識の説明:「助動詞の会話表現を忘れていた。選択肢1の『Do I 〜?』は一般動詞の疑問文。整理すると、相手に依頼するなら Will you 〜? / Can you 〜?(〜してくれませんか)、丁寧に依頼するなら Would you 〜? / Could you 〜?(〜してくださいませんか)、自分が申し出るなら Shall I 〜?(〜しましょうか)」
勉強法の説明:「これまではテキストのポイント部分を理解はしていたが、暗記しないまま演習に入っていた。これからは確認テストを随時行い、1週間に1周はテストする」
模試の振り返りも同じ手順で
模試も定期テストも、やることは同じです。ただし模試の場合は、解答を見る前に、時間制限なしでもう一度解き直すことをおすすめします。時間が足りなかったのか、そもそも知識がなかったのかを切り分けるためです。
たとえば英語の長文で失点したとき、原因は「単語力」「文法力」「一文を正確に読む力」「速く読む力」のどれなのかまで特定します。そこまで絞れて、はじめて「では何をするか」が決まります。

「深い学び」ができているかの4つの基準
自分の勉強が本物かどうかを確かめる基準を、4つ挙げておきます。
1. 学習内容を自分の言葉で説明できる
2. 意味や内容に関する質問に答えられる
3. 学んだことを似た問題に応用できる
4. 振り返ったときに、学んだこと・わからなかったことを自分の言葉で表現できる
テスト前にこの4つを自問して、どれかに「できていない」があれば、その単元はまだ仕上がっていません。

教科別|「質」を上げるときに、まず見直すところ
3要素の考え方は全教科に共通ですが、つまずきやすい場所は教科ごとに違います。当塾が指導のなかでよく直している点をまとめました。
英語:ポイントを「理解しただけ」で演習に入っていないか
英語で伸び悩む生徒に非常に多いのが、テキストの説明部分を読んで納得し、暗記の工程を飛ばして問題演習に入ってしまうパターンです。理解はできているので解説を読めばわかる。けれどテストでは出てこない——これは暗記が抜けている典型です。
対策はシンプルで、確認テストを随時行い、1週間に1周はテストすること。単語も文法も「見て思い出せる」ではなく「何も見ずに書ける」まで持っていきます。また、英文は面倒でも全文を書く、音読と和訳をセットで行う。この2つを続けた生徒は、長文の読解速度が変わります。
数学:途中式を残していないと、原因が特定できない
数学で最も多いのは「途中式を書かない・残さない」ことです。途中式がないと、間違えたときにどこで間違えたのかを自分で特定できません。計算ミスなのか、公式の使い方なのか、そもそも問題文の読み違いなのか——原因が分からなければ、対策も打てません。
また、間違えた問題を消しゴムで消して直すのも避けたいところです。間違いの記録は、自分だけの弱点リストになります。消さずに残し、赤で正しい解き方を書き加えてください。
国語:「なんとなく」で解いた問題を放置しない
国語は「感覚で解く教科」と思われがちですが、記述も選択も、答えの根拠は必ず本文の中にあります。丸つけのときに「本文のどこが根拠か」を指させるかを確認してください。指させないまま正解していた問題は、次に間違えます。
漢字・語句は暗記の工程そのものです。ブロックに区切って、思い出す練習を繰り返します。

理科:用語の暗記だけで止めない
理科は「暗記科目」と思われがちですが、実際は理解が抜けていると点が伸びない教科です。用語だけを覚えても、実験の考察やグラフの読み取りには対応できません。
「なぜその結果になるのか」を自分の言葉で説明できるかを確認してください。実験は、目的・方法・結果・考察の流れで整理すると理解が定着します。
社会:出来事は「5要素」でセットにして覚える
社会で「内容は知っているのに答えられない」となるのは、覚え方が断片的だからです。出来事を暗記するときは、最低でも「いつ(年号)・誰が・どこで・どのように・どうなった」の5要素をセットで覚えます。
そのうえで、テーマごと(貿易・戦い・改革など)に横断してまとめ直すと、選択問題で迷わなくなります。地理・公民も同じで、用語とその背景の理由をセットにするのが基本です。
副教科:後回しにすると内申で損をする
意外に軽視されがちですが、内申点の観点では副教科も主要5教科と同じ重みを持ちます(神奈川県の公立高校入試では、中3の内申は9教科すべてが対象で、副教科の評定も同じように計算されます)。テスト勉強の順番を決めるとき、副教科を最後に回す設計にしないでください。
やってしまいがちな勉強法チェックリスト

ここからは、当塾が実際に生徒を見ていて「これをしていると伸びにくい」と感じる項目をまとめました。お子さんに当てはまるものがないか、一緒に確認してみてください。
普段の学習編
□ 丸つけをしない
□ 解き終わって時間が経ってから丸つけしている
□ 正答の根拠が合っているか確認しない(勘で合っていたのをよしとする)
□ すべての選択肢の正誤の理由を考えない
□ なぜ間違えたのかを考えない
□ 解き直しをしない
□ ポイントや説明を見ながら解いて丸にし、そのまま終わりにしている
□ 暗記するとき、ひたすら書いて練習する「だけ」
□ 計算で途中式を書かない・残さない
□ 英語で全文を書かない
□ 間違えた問題を消して直す
□ ノートに日付を書かない
□ ノートに文字を書きなぐっている
□ 姿勢が悪い
□ 音読・和訳をしない
□ わからない問題をずっと考えている、時間を計らない
□ 「なぜそうなるのか」を考えない
□ 自分の言葉で説明することを意識していない
□ 勉強のゴールを「やる内容」ではなく「時間」で設定している
□ 音楽を聴きながら勉強している
テスト勉強編
□ 教科書やノートを読む「だけ」
□ テスト直前にノートまとめをする「だけ」
□ 副教科を後回しにする
□ テスト直前からしか勉強を始めない
気持ち・環境編
□ 正答率に一喜一憂してしまう
□ 自分流のやり方に固執している
□ 「たぶん大丈夫だろう」で行動している
□ 今の自分の勉強に満足している
□ ゴール(成績向上や志望校合格)を意識していない
□ やらされている感覚が強い
□ スマホがないと落ち着かない
□ 息抜きにスマホを使っていたら、いつのまにか30分以上経っていることが多い
チェックが多くても心配はいりません。ひとつ直すごとに点数は動きます。まずは「丸つけをすぐにする」「解き直しをする」の2つから始めるのがおすすめです。
テスト勉強は「4つの要素」を決めてから始める
テスト勉強で失敗する生徒は、たいてい「とりあえずワークを開く」ところから始めます。そうではなく、次の4つを先に決めてください。
① 何をやるのか(範囲のどこを・どの教材で)
② どの方法でやるのか(理解が足りないのか、暗記が足りないのか、演習が足りないのか)
③ どの順番でやるのか(積み上げが必要な教科から/苦手から)
④ いつやるのか(テスト何日前に、どこまで終える)
この4つがずれていると、時間をかけても点数につながりません。そしてもうひとつ大切なのは、テスト勉強は「テスト前にするもの」ではなく「常にするもの」だということです。習った内容をその週のうちに演習まで終えておけば、テスト前は仕上げだけで済みます。
テスト直前の1週間をどう配分するかについては、定期テスト1週間前にやるべきこと|MySTEP流・最短合格勉強法で日程表の形にまとめています。あわせてご覧ください。
ワーク・提出物は「出すため」ではなく「点を取るため」に
学校のワークは、①解く → ②丸つけ → ③解き直し → ④語句・単語の暗記、までがワンセットです。「提出するための学習」で終わっては、時間がもったいないだけです。
また、提出物の期限や完成度も見過ごせません。期限を守らなかったり完成度が低かったりすると、テストで良い点を取っても成績(内申)は上がりません。テスト勉強と提出物は、どちらも同じ「成績を作る作業」だと考えてください。
【量】3年間で約3000時間の差がつく

勉強の質が整ったら、次は量です。ここで一度、単純な計算をしてみます。
毎日15分勉強する子と、毎日3時間勉強する子。1日の差は2時間45分です。これを3年間続けると、その差は約3000時間になります。計算力・語彙力・読解力といった「積み上げ」で決まる力は、この時間差がそのまま学力差になって表れます。同じ授業を受けていても差がつくのは、この時間の使い方が違うからです。
量を増やすコツは「意志」ではなく「仕組み」
「うちの子は集中力がないから長時間は無理」と感じるかもしれません。ただ、長時間勉強できる子が特別なのではなく、勉強する時間と場所が習慣として決まっているだけ、というケースがほとんどです。
やる気に頼ると、調子のいい日しか勉強できません。そうではなく、次のように仕組みで固定します。
・曜日と時間を決める(毎週火・木・土は17時から、など)
・場所を決める(家で難しいなら、塾の自習室を使う)
・やることを決めてから座る(「何をやろう」と考える時間をなくす)
・スマホは別の部屋に置く(見えるところにあるだけで集中力は落ちます)
当塾でも、「毎週この曜日は塾で勉強する」と決めた生徒から学習時間が伸びていきます。場所と時間を先に固定してしまえば、意志の力に頼らずに量を確保できます。
実際に成績を伸ばしている生徒がどんな習慣を持っているかは、成績が伸びる子の勉強習慣5つで具体的にご紹介しています。習慣が身につくまでの期間についても触れていますので、参考になるはずです。
【気持ち】やる気は「性格」ではなく「つくれるもの」

3つ目の要素が気持ちです。どれだけ正しい勉強法を教わっても、「別に成績が上がらなくてもいい」と思っている状態では実行されません。逆に言えば、気持ちが動いた生徒は、こちらが驚くほど自分から勉強するようになります。
当塾では、モチベーションを「性格」ではなくつくれるものとして、次の3つで支えています。
① 現状分析:できていない理由を、本人の言葉にする
「勉強しなさい」と言うだけでは動きません。まず「今の成績のままだと、どの高校が選べるのか」「何が足りていないのか」を、本人が自分の言葉で説明できる状態にします。
ここで大切なのは、感情的に叱らず、事実で話すことです。「やる気がない」ではなく「毎日の勉強時間が20分」という事実を置く。逃げ道になっている言い訳を一つずつ一緒に確かめていくと、生徒自身が「じゃあ何をすればいいか」を言い始めます。この順番が逆になると、反発しか生まれません。
② 成功体験:小さな達成を積み上げる
いきなり「次のテストで平均点を20点上げる」は続きません。まずは小テストで満点を取る、今週の課題を1回もためずに終える、といった小さな成功を積み重ねます。できたときにきちんと認められる経験が、「やればできる」という感覚を育てます。
ご家庭でも、点数だけでなく「やり方を変えられたこと」を褒めてあげてください。丸つけをすぐにした、解き直しをした——結果が出る前の行動を認められると、子どもはその行動を続けます。
③ 目標設定:「行きたい」と思える場所を見つける
最も強いエネルギーになるのが、自分で決めた目標です。高校の文化祭や説明会に足を運ぶ、興味のある仕事を調べてみる——「あの高校に行きたい」「この仕事に就きたい」という具体的な像ができた瞬間に、勉強の意味が変わります。
当塾の面談で進路の話に時間をかけるのは、これが学習量にも質にも直結するからです。目標が決まっていない段階では、「行きたくない方向」から考えるのも有効です。
学年別|今日からの第一歩
3要素のどこから手をつけるかは、学年によっても変わります。目安をまとめました。
小学生:勉強の「型」と学習習慣をつくる時期
この時期に大切なのは、点数よりも正しい型を身につけることです。丸つけを自分でする、間違えた問題を解き直す、覚えたかどうかを自分でテストする——この3つができるようになるだけで、中学以降の伸び方がまったく変わります。
学習時間は長さより毎日続くことを優先します。前述のとおり、小学生の3年間の学習時間の差は、そのまま中学入学時の学力差になって表れます。
中学1・2年生:定期テストで「勉強法の実験」をする時期
まだ受験までに時間があるこの時期は、勉強法を試して修正できる貴重な期間です。テストのたびに「どの勉強法が効いたか」「何が足りなかったか」を振り返り、次のテストで変えてみる。これを繰り返した生徒は、中3で一気に伸びます。
神奈川県の公立高校入試では中2の内申も使われます。「受験はまだ先」ではなく、この時期の成績がすでに受験に直結していることも知っておいてください。
中学3年生:質を最優先に、量を最大化する時期
時間が限られているため、間違った勉強法で走ると取り返しがつきません。まず丸つけ・解き直し・説明の工程を固め、そのうえで学習時間を最大化します。
模試を受けたら、必ず「時間制限なしで解き直す→原因を特定する→勉強法を変える」まで実行します。受けっぱなしの模試には、ほとんど価値がありません。
高校生:自学自習の質がそのまま結果になる
高校では学習量が一気に増え、授業を聞くだけでは追いつかなくなります。参考書や映像授業で予習し、演習で理解を確認するという流れを自分で回せるかどうかが分かれ目です。
評定を重視する場合も、定期テストごとの「振り返りと修正」がそのまま結果になります。指定校推薦を視野に入れるなら、1年生の最初の定期テストから積み上げが始まっていることを意識してください。

保護者の方ができる3つのサポート
最後に、ご家庭でできることをまとめます。勉強そのものを教える必要はありません。
① 結果より「やり方の変化」を見る
点数だけを見て一喜一憂すると、子どもは点数を隠すようになります。そうではなく、「丸つけをすぐにするようになった」「解き直しをしていた」といった行動の変化に目を向けて、そこを認めてあげてください。行動が変われば、結果は後からついてきます。
② 環境を整える(意志ではなく仕組みで)
「勉強しなさい」と言う回数を減らし、代わりに環境を整えます。勉強する時間と場所を家族で決める、スマホを別の部屋に置くルールにする、塾の自習室に行く曜日を決める——本人の意志に頼らない仕組みが、いちばん効きます。
③ 目標づくりを一緒にする
高校の説明会や文化祭に一緒に行く、興味のある仕事について話してみる。これだけで、勉強の意味が変わる生徒がいます。目標が決まっていない段階では、「これは嫌だ」という方向から絞っていくのも有効です。

3つのうち、どれが欠けているかを見つけることから
ここまで読んで、お子さんはどの要素が弱そうだと感じましたか。次の3つのどれに当てはまるかで、やるべきことが決まります。
・時間はかけているのに伸びない → 質に原因があります。丸つけの後の「説明」から見直しましょう
・やり方はわかっているのに結果が出ない → 量が足りていない可能性があります。まず勉強する曜日と場所を固定します
・言われればやるが、自分からは動かない → 気持ちを支える仕組みが必要です。小さな成功体験と、目標づくりから始めます
この3つは、どれか1つを完璧にするより、いちばん低いところを引き上げるほうが結果に直結します。掛け算だからです。
そして、3要素はお互いを引き上げます。正しい勉強法(質)で結果が出れば、やる気(気持ち)が生まれます。やる気が出れば、自然と勉強時間(量)が増えます。時間が増えれば、質を磨く余裕も生まれます。最初のひとつが回り始めれば、あとは加速していきます。
当塾では、この「質・量・気持ち」の3つを同じ空間で同時に鍛えることを指導の柱にしています。ご家庭でも、まずはお子さんと一緒に「どれがいちばん弱いか」を話してみるところから始めてみてください。それだけでも、次のテストの結果は変わってきます。
この記事は「勉強法の全体像」をまとめたものです。場面ごとの具体的な進め方は、次の記事もあわせてご覧ください。
・成績が伸びる子の勉強習慣5つ(伸びている生徒に共通する行動)
・定期テスト1週間前にやるべきこと(テスト直前の日程の組み方)
・5科コースのご案内(質・量・気持ちを同じ空間で鍛える巡回型のコース)

よくある質問
Q. 勉強時間は足りているのに点数が上がりません
A. 質の工程のどこかが抜けている可能性が高いです。特に多いのが「丸つけをすぐにしていない」「解説を見ながら解いた問題を丸にしている」「解き直しをしていない」の3つです。まずこの3点を確認してください。
Q. 暗記が苦手で、覚えてもすぐ忘れてしまいます
A. 「書く回数」ではなく「思い出す回数」を増やしてください。5個ずつのブロックに区切り、隠して答える練習をし、その日・翌日・1週間後と間隔をあけて繰り返します。覚えるのが苦手なのではなく、覚え方を変えていないだけ、というケースがほとんどです。
Q. やる気がないので、何を教えても実行してくれません
A. やる気は性格ではなく、つくれるものです。まず「今の状態と目標のギャップ」を本人の言葉で説明できる状態にし、次に小さな成功体験を積みます。順番として、説教から入ると反発が生まれます。事実を一緒に確認するところから始めてください。
Q. 何から手をつければいいか分かりません
A. この記事のチェックリストで、当てはまる項目がいちばん多かったところから始めてください。特に「丸つけをすぐにする」「自力で解けなかった問題を誤答として扱う」の2つは、今日から実行できて効果が早く出ます。

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