こんにちは!MySTEPスタッフの石川です。
数学の勉強というと、多くの方が「問題をたくさん解く」ことを思い浮かべます。でも定期テストの点数を上げたいなら、その前に確認しておきたいことがあります。
そのテストは、知識・技能と思考・判断・表現のどちらに重心があるのか。
当塾が確認した2026年3月までの解答用紙を集計すると、近隣3校の数学は学校によってこの重心がはっきり違いました。同じ勉強のしかたをしても、学校が違えば効き方が変わるということです。
この記事では、あざみ野中学校・すすき野中学校・王禅寺中央中学校の数学について、観点ごとに何をすればいいのかを実データで整理します。
数学のテストは、観点ごとに分けて採点されています
まず前提を確認します。
いまの通知表の評定は、次の3つの観点を点数に直して合計したものから決まります。A○5点・A4点・B3点・C○2点・C1点で足して、11点以上で評定4です。
- 知識・技能……計算や公式が正確に使える
- 思考・判断・表現……解き方を考え、なぜそうなるかを説明できる
- 主体的に学習に取り組む態度……粘り強く取り組み、やり方を自分で調整している
そして定期テストは、1枚の中で観点ごとに分かれて採点されています。あざみ野中学校の資料には、こう書かれていました。
観点ごとに問題がつくられています。それぞれの観点ごとの得点を見て、概ね次のカッティングポイントにしたがって評価をします
そのカッティングポイントが、これです。90%・80%・50%という境目は、あざみ野中学校・すすき野中学校・王禅寺中央中学校で共通しています。
| その観点での達成率 | 評価 |
|---|---|
| 90%以上 | A○ |
| 80%以上 | A |
| 50%以上 | B |
つまり合計点ではなく、観点ごとの欄で何割取れたかが評価を決めます。
3校の数学の「重心」は、はっきり違います
当塾が確認した解答用紙の採点表を、学校・学年別に集計した結果が次の表です。
| 学校 | 1年 知識:思考 |
2年 知識:思考 |
3年 知識:思考 |
|---|---|---|---|
| あざみ野中学校 | 71:29 | 71:29 | 66:34 |
| すすき野中学校 | 62:38 | 56:44 | 61:39 |
| 王禅寺中央中学校 | 56:44 | 57:43 | 51:49 |
※ 2026年3月までに実施された定期テストの解答用紙のうち、採点表の観点別配点を確実に読み取れた回を合算し、比率に直したものです。年度・担当の先生によって変わります。
読み取れることは、大きく3つあります。
あざみ野中学校…… 1年・2年は知識・技能が7割。計算の正確さがそのまま点数になる
すすき野中学校…… 6割前後で安定。2年だけ56:44とやや思考寄りになる
王禅寺中央中学校…… 3校で最もバランス型。3年は51:49でほぼ半々
あざみ野中学校の1年・2年で「計算はできるのに点が伸びない」ということは、まず起きません。逆に言えば、計算でミスをすると配点の7割の側で失点します。
一方、王禅寺中央中学校の3年生は、計算だけでは半分しか取れません。数学の資料には知識・技能の欄に「テスト重視」と明記されていましたが、その中身は知識と思考がほぼ同量です。
満点は100点とは限りません
もうひとつ、大事な注意点です。当塾が確認した解答用紙では、数学の満点が100点ではない回がありました。
あざみ野中学校 50点・70点 / すすき野中学校 100点 / 王禅寺中央中学校 48点・80点・100点
ですから「60点だった」という数字だけでは判断できません。その観点の満点に対して何割取れたかで見てください。
例:あざみ野中学校2年(知識71点/思考29点の割合の回・100点満点なら)
知識でAを取るには 71点 × 80% = 57点
思考でAを取るには 29点 × 80% = 24点
知識・技能を上げる ── 頻出単元を反復する
知識・技能で問われるのは、計算と公式が正確に使えるかです。ここは、やれば必ず伸びます。
当塾が分析した各校の頻出単元は次の通りでした。
| 学校 | よく出ている単元 |
|---|---|
| あざみ野中学校 | 文字式の計算/連立方程式/平方根の計算/正負の数の計算/二次方程式 |
| すすき野中学校 | 連立方程式/式の計算/平方根/確率/一次関数 |
| 王禅寺中央中学校 | 素因数分解/最大公約数・最小公倍数/素数の性質/文字式の四則計算/式の値(代入) |
3校とも計算単元が上位に来ていますが、性格は違います。すすき野中学校は確率・一次関数という「考え方を問う単元」が上位に入り、王禅寺中央中学校は素因数分解・最大公約数という中1の基礎が繰り返し出ています。
知識でAを取るためにやること
| やること | 中身 |
|---|---|
| 解答用紙で弱点を特定する | 前回のテストの知識の欄だけを見て、8割に届いていなければ、間違えた問題に印をつける |
| その単元だけワークを回す | 全範囲をやり直さない。印をつけた単元のページだけを、丸つけと直しまで含めて2周する |
| 途中式を必ず書く | 答えだけ書くと、間違えたときにどこで間違えたか分からない。王禅寺中央中学校の資料でもチェック項目に入っている |
思考・判断・表現を上げる ── 記述を空欄にしない
思考・判断・表現で問われるのは、なぜその解き方をしたのかを説明できるかです。
神奈川県教育委員会の資料に出ている数学の事例では、AとBの差が次のように示されています。
B:次にどちらの方法で解くか書いてある
A:+その理由が書いてある
答えが合っているかどうかではなく、理由が書いてあるかどうかで分かれています。
ここでの最大の失点は「空欄」です
記述問題を空欄で出してしまうと、その配点はまるごと0点になります。しかも思考・判断・表現の欄は配点が小さいことが多いため、1問空欄にするだけで達成率が大きく下がります。
例:思考の配点が29点の回で、記述6点を空欄にした場合
残り23点を全問正解しても 23 ÷ 29 = 79%でAに届かない
つまり記述1問の空欄が、そのままAを逃す原因になります。分からなくても、途中まででいいので書く。部分点を狙うことが、そのまま評価につながります。
間違えた記述は「なぜ」まで書く
すすき野中学校の数学3年のガイダンスには、テスト直しについてこう書かれていました。
解き直しは、途中式から直し、どこがどう違ったのか、なぜ違ったのかをしっかりと理解できるように
模範解答を写すだけでは、次も同じところで間違えます。「自分はここで〜と考えたが、実際は〜だった」と一言書く。これが思考・判断・表現の練習になり、同時に主体的に学習に取り組む態度の材料にもなります。
学年別に、いま押さえるべき単元
頻出単元は分かっても、「うちの子はいま何をやればいいのか」は学年によって違います。近隣3校の傾向をふまえて整理します。
| 学年 | 押さえる単元と考え方 |
|---|---|
| 中学1年 | 正負の数の計算/文字式/素因数分解・最大公約数。知識の比重がいちばん大きい学年(あざみ野中71%・すすき野中62%)。計算の正確さを作る時期 |
| 中学2年 | 式の計算/連立方程式/一次関数/確率。すすき野中では一次関数・確率が頻出上位。思考の比重が上がり始める(すすき野中56:44) |
| 中学3年 | 平方根/二次方程式。王禅寺中央中は51:49でほぼ半々。計算に加えて「なぜそうなるか」を書く練習が必要 |
とくに中学1年生は、この時期に計算の型を作れるかどうかで、その後2年分が変わります。あざみ野中学校の1年数学は知識・技能が7割ですから、計算を落とさないことが、そのまま評定に直結します。
逆に中学3年生は、計算だけでは足りません。王禅寺中央中学校の3年は思考が49%を占めていました。ここは記述の練習が必要な部分です。
大問の数から見えること
当塾が分析した各校の数学は、1回のテストに含まれる大問の数が次の通りでした。
あざみ野中学校 平均5.3問 / すすき野中学校 平均6.6問 / 王禅寺中央中学校 平均5.7問
すすき野中学校がやや多めです。大問が多いということは、1問あたりの配点が小さく、単元の幅が広いということ。つまり「得意な単元だけ完璧にする」戦い方が通用しにくくなります。範囲全体を薄く一周する時間を確保してください。
主体的に学習に取り組む態度を上げる ── 提出物の終わらせ方
3つめの観点は、数学ではとくに提出物で決まります。
王禅寺中央中学校の数学の資料では、この観点が「上の2観点をみにつけるための粘り強い取り組みと、その取り組みを調整する力」と定義され、材料として授業中の取り組み・単元の振り返り・授業プリント・問題集・テストレポートが挙げられていました。
そして提出物は「A○・A・B・C○・C」の5段階で評価され、チェック内容がここまで具体的に書かれています。
| 提出物 | 評価のチェック内容 |
|---|---|
| ワーク | すべての問題の途中式を記入して解き、丸付けをしている/間違えた問題・解けなかった問題は途中式まで書き解法を確認している/期日を守って提出している |
| ノート・ファイル | 途中式を書いて解いている/授業で説明されたことを自分で工夫して解説している/いろいろな解法で解いている/期日を守る/プリントを順番通りに整頓している |
| レポート | すべての問題の解き直しができている/解き方や考え方のポイントを自分で工夫してまとめている/今後に向けて具体的な改善策を考えている/期日を守る |
すすき野中学校の数学でも、問題集は提出しなくても減点はなく、提出すれば加点という扱いで、分からなければ解答を見てよいとされていました。ただし赤ペンで途中式を書くことが条件です。
また3年のクリアノートについては「途中式を書き、丁寧に」「○つけをし、間違えた問題について解き直しを」と書かれ、評価項目にはテスト直しも入っていました。
提出のタイミングは学年で違います
すすき野中学校では、3年のクリアノートは章ごと、1年の台紙プリントは原則テストの日、計算練習は24回ごとと、教科書の進み方に合わせて設定されていました。「テスト前にまとめて」では間に合わないものがあります。
テスト直しが、次の点数を作ります
数学でいちばん効率がいいのは、実は新しい問題を解くことではありません。間違えた問題を、なぜ間違えたかまで潰すことです。
そして、これは評価の材料にもなっています。すすき野中学校の数学3年では評価項目にテスト直しが入っており、王禅寺中央中学校の数学ではレポートの評価チェック内容にこう書かれていました。
・すべての問題の解き直しができている
・解き方や考え方のポイントを自分で工夫してまとめている
・自分なりに学習を振り返り、今後に向けて具体的な改善策を考えている
3行で終わるテスト直しの型
間違えた問題1つにつき、次の3行を書くだけです。
1行目 正しい解き方(途中式まで)
2行目 自分はどこで間違えたか(「符号を逆にした」「分母を払い忘れた」など)
3行目 次はどうするか(「符号は丸で囲む」「両辺に何をかけたか式の横に書く」など)
3行目が、資料でいう「今後に向けて具体的な改善策」です。ここまで書いてあるかどうかがAとBを分けます。
数学の失点は、3種類に分けられます
テスト直しをするとき、間違いを次の3つに分類すると、対策がはっきりします。
| 間違いの種類 | 対策 |
|---|---|
| 計算ミス | やり方は分かっている。途中式を省かないことと、見直しの手順を決めることで減る。あざみ野中学校のように知識が7割の場合、ここが直接効く |
| 解き方が分からない | その単元のワークに戻る。類題を3問解けば、たいてい形が見えてくる |
| 問題文の読み落とし | 意外と多い。「〜を求めよ」の対象を間違える、単位を書き忘れるなど。問われているものに線を引くだけで減る |
この3つのうち、いちばん多いのがどれかを知ることが大切です。計算ミスが多い子に「もっと難しい問題を解かせる」のは逆効果ですし、解き方が分からない子に「見直しをしなさい」と言っても解決しません。
返却された解答用紙を1枚見れば、どの種類が多いかはすぐ分かります。
関数の失点は、種類が違います
もうひとつ、つけ加えておきたいことがあります。すすき野中学校では一次関数が頻出上位に入っていました。関数は、上の3種類とは違う落とし方をします。
いちばん多いのが、グラフと式のどちらか一方しか使えない状態です。式は書けるのにグラフが描けない、あるいはグラフは読めるのに式にできない。関数の問題はこの2つを行き来させるように作られているため、片方だけでは半分しか取れません。
対策は、1つの問題で式・グラフ・表の3つをそろえて書くことです。手間はかかりますが、5問もやれば行き来ができるようになります。
すすき野中学校の対策をもっと詳しく
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評定の計算式・8割でAになる基準・学校別のデータは内申点と観点別評価のしくみにまとめています。
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- ワークの終わらせ方 解いただけならB、丸つけと直しまででA
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- 英語の観点別攻略 同じ中1でも学校で正反対
あざみ野中・すすき野中・王禅寺中央中の数学で点を取るために
最後に、要点を整理します。
- 数学のテストは観点ごとに分けて採点されている。合計点ではなく観点ごとの欄を見る
- その観点で8割取ればA、5割でB。この基準は3校で共通
- あざみ野中学校は1年・2年で知識が7割。計算の正確さがそのまま点数になる
- 王禅寺中央中学校の3年は51:49でほぼ半々。計算だけでは半分しか取れない
- 満点は100点とは限らない(あざみ野50点・70点/王禅寺48点・80点)。割合で見る
- 知識は間違えた単元のワークだけ2周する。全範囲をやり直さない
- 思考は記述を空欄にしない。1問空欄にするだけでAを逃すことがある
- 主体的は提出物。解いて、丸をつけて、間違いは途中式まで書いて解法を確認するまででA
数学は「たくさん解く」より「どこが足りないかを数字で見つけて、そこだけ2周する」ほうが確実です。返却された解答用紙の観点ごとの欄を見れば、その場所はすぐに分かります。
次のテストが返ってきたら、まず合計点ではなく観点ごとの欄をご覧になってみてください。
当塾でも、近隣中学校の定期テストを10年分以上にわたって毎年確認し、問題用紙だけでなく解答用紙の採点表まで分析したうえで、生徒一人ひとりの優先順位を整理しています。この記事でご紹介した手順は、その中で実際に使っているものです。ご家庭でもそのまま試していただけますので、ぜひ役立てていただければと思います。
※ 本記事は2026年度(令和8年度)に配布された資料および、当塾が保有する過去問・解答用紙をもとに構成しています。出題の傾向や評価の方法は年度・学年・担当の先生によって変わることがあります。最新の内容は、お子さまが受け取っている資料をご確認ください。