こんにちは!MySTEPスタッフの石川です。
今回の記事には、当塾が10年分以上の解答用紙を集計していていちばん驚いた数字が出てきます。
あざみ野中学校の1年英語…… 知識81:思考19
すすき野中学校の1年英語…… 知識42:思考58
同じ「中学1年生の英語」でも、テストの中身がほぼ正反対だったのです。隣接する2つの中学校で、これだけ違います。
つまり英語は、同じ勉強のしかたをしても、学校が違えば効き方が変わる科目だということです。この記事では、あざみ野中学校・すすき野中学校・王禅寺中央中学校の英語について、観点ごとに何をすればいいのかを実データで整理します。
英語のテストは、観点ごとに分けて採点されています
まず前提を確認します。
いまの通知表の評定は、次の3つの観点を点数に直して合計したものから決まります。A○5点・A4点・B3点・C○2点・C1点で足して、11点以上で評定4です。
- 知識・技能……単語・文法・音声などを理解し、使える
- 思考・判断・表現……目的や場面に応じて、聞き取ったり伝え合ったりできる
- 主体的に学習に取り組む態度……相手に配慮しながら英語で伝えようとし、自分の学習を振り返っている
そして定期テストは、1枚の中で観点ごとに分かれて採点されています。観点別評価は、その観点の満点に対して8割取ればA、5割でBという基準で付けられます(90%以上でA○)。この90%・80%・50%という境目は、あざみ野中学校・すすき野中学校・王禅寺中央中学校で共通しています。
3校の英語は、学校によって性格がまったく違います
当塾が確認した2026年3月までの解答用紙の採点表を、学校・学年別に集計した結果が次の表です。
| 学校 | 1年 知識:思考 |
2年 知識:思考 |
3年 知識:思考 |
|---|---|---|---|
| あざみ野中学校 | 81:19 | 55:45 | 53:47 |
| すすき野中学校 | 42:58 | 50:50 | 59:41 |
| 王禅寺中央中学校 | 62:31 (残り約7%が主体的) |
66:34 | 54:46 |
※ 2026年3月までに実施された定期テストの解答用紙のうち、採点表の観点別配点を確実に読み取れた回を合算し、比率に直したものです。年度・担当の先生によって変わります。
あざみ野中学校 ── 1年は単語と語順で決まる
あざみ野中学校の1年英語は知識・技能が81%。当塾が分析した3校5教科のなかでも、突出して知識寄りでした。
頻出項目を見ると、アルファベットの順序(大文字・小文字)/基本英単語の意味/語順整序が上位に入っています。つまり1年生のうちは、単語を覚えて、語順のルールを正確に使えるようにすることが、そのまま8割の得点につながります。
ただし2年で55:45、3年で53:47と、学年が上がるにつれて思考の比重が急に増えます。1年生のときと同じ勉強のしかたを続けていると、2年生で伸び悩むことになります。
すすき野中学校 ── 1年からリスニングと理解が問われる
すすき野中学校の1年英語は思考・判断・表現が58%。あざみ野中学校とは逆です。
頻出項目を見ると、リスニング/英単語の音の聞き分け(母音・子音)/日付・数字・曜日の英語表現/自己紹介・人物描写の聴解と、聞き取り関連が並びます。当塾は以前から、すすき野中学校の英語がリスニングを重視した構成であることを分析記事で指摘してきましたが、配点データがその裏づけになっています。
単語を覚えるだけの勉強では、配点の半分以上に手が届きません。音声で触れる時間が必要です。
興味深いのは、3年になると59:41と知識寄りに戻ることです。学年によって戦い方を変える必要があります。
王禅寺中央中学校 ── テストの中に「主体的」が入っている
王禅寺中央中学校の1年英語では、知識62%・思考31%で、残りの約7%が主体的に学習に取り組む態度でした。3観点のうち3つめが、定期テストの中で直接配点されているということです。
これは資料の記述と一致します。王禅寺中央中学校の英語の資料では、主体的に学習に取り組む態度の評価材料に「定期テスト」が明記されていました。
頻出項目は対話文読解/リスニング/自由英作文・条件英作文/図表・スケジュール読み取り/長文読解。3年で54:46と思考の比重が上がるのは、英作文と長文が増えるためと考えられます。
会話・スピーチのテストは、3観点すべてに効きます
ここが、英語ならではの特徴です。
王禅寺中央中学校の英語の資料には、3観点それぞれの評価材料が明記されていました。
| 観点 | 評価の材料 |
|---|---|
| 知識・技能 | 小テスト(単語、音読)/パフォーマンステスト(会話、スピーチ)/定期テスト |
| 思考・判断・表現 | パフォーマンステスト(会話、スピーチ)/定期テスト |
| 主体的に学習に 取り組む態度 |
課題への取り組み状況/パフォーマンステスト(会話、スピーチ)/定期テスト |
会話・スピーチのテストが、3つの観点すべてに登場します。
ここで力を出せると3観点が同時に動くということですから、準備の優先度が高い場面です。逆に「話すのが苦手だから」と流してしまうと、3つとも取りこぼします。
すすき野中学校の英語でも、評価の資料として定期テスト・小テスト(Unitテスト・リスニング)・会話テスト・授業中の発言や活動への意欲や態度・各課題(ノート・ワークブック・プリント)・発表活動(スピーチ・スキット)が挙げられていました。
会話・スピーチの準備は「暗記」でよい
「英会話が得意でないと無理」と思われがちですが、そうではありません。
王禅寺中央中学校の英語の資料には、最後にこんなメッセージが添えられていました。
英語は完璧でなくても伝わります。完璧主義を捨てましょう。多少の間違いは気にせず、伝えたいことを言葉にすることを心がけましょう。わからないとき、まちがえたときこそ、上達のチャンスです。
求められているのは流暢さではなく、伝えようとしているかです。準備としては、言うことを紙に書いて、声に出して5回読む。それだけで当日の出来がまったく変わります。
観点別に、何をすればいいのか
ここまでの内容を、実際にやることに落とします。
| 上げたい観点 | やること |
|---|---|
| 知識・技能 | 単語は書けるところまでやる(読めるだけでは語順整序で落とす)/教科書の基本文を音読して、日本語から英語に直せるようにする/小テストの範囲を捨てない |
| 思考・判断・表現 | リスニングは毎日3分でいいので音声に触れる(教科書の音声で十分)/英作文は空欄で出さない。知っている単語だけで短く書く/長文は本文の音読を繰り返す |
| 主体的に学習に 取り組む態度 |
ノートは指定された形で書く/ワークは丸つけと直しまで/会話・スピーチのテストは原稿を書いて音読してから臨む/学習の振り返りを空欄にしない |
ノートの書き方は、教科ごとに指定されています
すすき野中学校の英語2年の資料では、ノートは見開きで使い、次の6項目が必須とされていました。
Unit番号/教科書本文/基本文と意味/日本語訳/板書/裏表紙から単語を3回ずつ練習
王禅寺中央中学校の英語では「自学ノート」を用意することになっており、板書のメモ・単語練習・教科書本文の書き取り・問題演習を自分なりに工夫して使うよう案内されていました。
そして、すすき野中学校の英語の資料には、A・B・Cの定義がこう書かれています。
A:十分満足できると判断されるもの ⇒ 指示されたこと以上の取組が見られる
B:おおむね満足できる状況と判断されるもの ⇒ 指示されたことができている
C:努力を要する状況と判断されるもの ⇒ 指示された内容に達していない
そして「まずはBを目指しましょう」と続きます。Aは特別な才能がある人に付くのではなく、言われたことに自分の一手を足した人に付きます。
リスニングは、家で対策できます
すすき野中学校のように思考・判断・表現が6割近くを占める場合、リスニングを落とすと取り返しがつきません。ところが、リスニングは家庭でいちばん対策しやすい分野でもあります。
特別な教材は要りません。教科書の音声で十分です。当塾で勧めているのは、次の3段階です。
| 段階 | やること | 時間 |
|---|---|---|
| ① 本文を見ながら聞く | 文字と音がつながる。ここを飛ばすと、次で何も聞き取れずに終わる | 1日3分 |
| ② 本文を見ながら一緒に読む | 音声に合わせて声を出す。自分で出せる音は聞き取れる | 1日3分 |
| ③ 本文を見ずに聞く | どこまで分かるか確かめる。分からなかった箇所だけ①に戻る | 1日2分 |
合計8分です。まとめて1時間やるより、毎日8分のほうが確実に伸びます。音は慣れであって、暗記ではないからです。
すすき野中学校の1年英語では、頻出項目に「英単語の音の聞き分け(母音・子音)」「日付・数字の英語表現」が入っていました。日付と数字は、聞き取れないと一瞬で失点します。ここは意識して練習する価値があります。
単語は「読める」で止めないでください
もうひとつ、点数に直結する話です。
単語の勉強を「見て意味が分かる」で止めてしまう生徒はとても多いのですが、テストで問われるのは書けるかどうかです。
あざみ野中学校の1年英語では語順整序が頻出上位に入っています。語順整序は、単語の意味が分かるだけでは解けません。その単語が文のどこに来るかを知っている必要があります。
王禅寺中央中学校では自由英作文・条件英作文が頻出上位でした。ここも、書けない単語は使えません。
単語の練習は、日本語を見て英語を書く方向でやる
(英語を見て意味を答える方向は、テストで問われる形と逆になっている)
すすき野中学校の英語2年のノート指定に「裏表紙から単語を3回ずつ練習」という項目があったのは、この「書けるところまで」を求めているからだと考えられます。
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満点は100点とは限りません
最後に、点数の見方についての注意です。
当塾が確認した解答用紙では、英語の満点が100点ではない回が多くありました。
あざみ野中学校 70点・75点・80点・85点・100点
すすき野中学校 100点
王禅寺中央中学校 77点・84点・92点・96点・100点
ですから「70点だった」という数字だけでは判断できません。その観点の満点に対して何割取れたかで見てください。
例:すすき野中学校1年(知識42点/思考58点の割合の回・100点満点なら)
知識でAを取るには 42点 × 80% = 34点
思考でAを取るには 58点 × 80% = 47点
この学校では、思考の側に47点分の目標があります。単語を完璧にしても、リスニングと読解ができなければAには届きません。
学年ごとに、やることを変えてください
3校のデータを並べると、学年による変化のしかたも学校ごとに違うことが分かります。ここを押さえておくと、次の1年の見通しが立ちます。
| 学年 | やること |
|---|---|
| 中学1年 | アルファベット・単語・語順の型を作る。ここでつまずくと2年以降ずっと響く。すすき野中学校なら、これに加えて音声に毎日触れる |
| 中学2年 | 3校とも思考の比重が上がる(あざみ野中は1年81%→2年55%と大きく変化)。読解と英作文の練習を始める時期 |
| 中学3年 | 長文・英作文が本格化。入試内申は11月中旬の後期中間までで決まるので、9月と11月の2回に集中する |
とくに注意していただきたいのがあざみ野中学校の中学2年生です。1年生のとき知識・技能が81%だったものが、2年で55%になります。単語だけやっていれば取れた状態から、読解と表現が必要な状態へ、1年で大きく変わります。
「1年生のときは英語が得意だったのに、2年で急に下がった」という場合、能力が落ちたのではなく問われているものが変わった可能性があります。
1年生でつまずいたまま2年になった場合
この場合、2年の内容から始めても追いつきません。1年の教科書の本文を音読するところに戻ってください。
理由は、英語が積み上げの科目だからです。1年の基本文が分からないまま2年の読解に入っても、何が書いてあるか分かりません。音読なら1日10分でできますし、リスニングの対策にもなります。
王禅寺中央中学校の英語の資料には、こう書かれていました。
わからないとき、まちがえたときこそ、上達のチャンスです。教科書に戻って確認し、英語を使ってできることを少しずつ増やしていきましょう。
「教科書に戻る」は、遠回りではなく最短経路です。
すすき野中学校の対策をもっと詳しく
観点別評価で点を取る(シリーズ)
評定の計算式・8割でAになる基準・学校別のデータは内申点と観点別評価のしくみにまとめています。
- 9月の前期期末から逆算する 夏休みの残り2週間でやること3つ
- ワークの終わらせ方 解いただけならB、丸つけと直しまででA
- ノートに足す「1行」 板書を写すだけではAにならない
- 提出物で落とさない 期限・記名・空欄の3つで防げる
- 数学の観点別攻略 あざみ野中は知識7割、王禅寺中3年は半々
あざみ野中・すすき野中・王禅寺中央中の英語で点を取るために
最後に、要点を整理します。
- 英語は学校によって配点の重心がまったく違う。同じ中1でも、あざみ野中81:19/すすき野中42:58
- あざみ野中学校の1年は単語・語順整序といった知識の側が8割。ただし2年から思考の比重が急に増える
- すすき野中学校の1年はリスニング関連が並び、思考が6割。音声に触れる時間が必要
- 王禅寺中央中学校の1年は、テストの中に主体的の配点(約7%)がある
- 会話・スピーチのテストは3観点すべてに効く。ここを流すと3つとも取りこぼす
- 準備は暗記でよい。原稿を書いて5回音読するだけで当日が変わる
- ノートの書き方は教科ごとに指定されている。その通りにするのがいちばん確実
- 満点は100点とは限らない。その観点の満点に対する割合で見る
英語は、努力の量より向ける方向で差がつく科目です。お子さまの学校のテストが、単語で決まるのか、聞き取りで決まるのか。それが分かれば、同じ勉強時間でも結果が変わります。
返却された解答用紙の観点ごとの欄を見れば、その方向はすぐに分かります。次のテストが返ってきたら、合計点より先にそこをご覧になってみてください。
当塾でも、近隣中学校の定期テストを10年分以上にわたって毎年確認し、問題用紙だけでなく解答用紙の採点表まで分析したうえで、生徒一人ひとりの優先順位を整理しています。この記事でご紹介した手順は、その中で実際に使っているものです。ご家庭でもそのまま試していただけますので、ぜひ役立てていただければと思います。
※ 本記事は2026年度(令和8年度)に配布された資料および、当塾が保有する過去問・解答用紙をもとに構成しています。出題の傾向や評価の方法は年度・学年・担当の先生によって変わることがあります。最新の内容は、お子さまが受け取っている資料をご確認ください。